研究課題/領域番号 |
62480328
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
麻酔学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
盛生 倫夫 広島大学, 医学部, 教授 (80033950)
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研究分担者 |
中谷 圭男 広島大学, 医学部附属病院, 助手 (30192222)
木下 博之 広島大学, 医学部附属病院, 講師 (60136083)
藤井 宏融 広島大学, 医学部, 講師 (60034021)
石原 晋 広島大学, 医学部附属病院, 講師 (00106808)
菊地 博達 広島大学, 医学部, 助教授 (40034029)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1989
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キーワード | ハロセン / 吸入麻酔薬 / 臓器特異性 / 酵素誘導 / 酵素阻害 / 脱ハロゲン化反応 |
研究概要 |
ハロセンは吸入麻酔薬として広く臨床に使用されている、ハロアルカンである。このハロセンの副作用として、まれに重篤な肝炎が起こることがある。その原因はまだ明らかにされていない。ハロセンは還元的に脱ハロゼン化され、代謝産物とてCF_2CHCl(以下CDE)およびCF_3CH_2Cl(以下CTE)が産生する。この還元的な脱ハロゲン化反応の中間代謝産物としてラジカルが生じ、それがイニシエ-タ-となり燐脂質の過酸化がおこる、これが肝障害の原因の一つとされている。本研究はこの還元的脱ハロゲン化反応に関して、1.バルビツレ-トによる酵素誘導2.薬物による阻害作用3.肝外臓器での活性。を調べるために行った。その結果、 1)誘導の強さはフェノバルビタ-ル、チオペンタ-ル、チアミラ-ル、ペントバルビタ-ルの順であった。これらの結果はフェノバルビタ-ルのみならず、チオペンタ-ル、チアミラ-ルでもハロセン吸入前に投与ささているとハロセンの肝障害の原因となると結論した。 2)阻害はペンタゾシン、ブプレノルフィン、ジアゼパム、ハイドロキシジン、ケタミン、クロ-ルプロマジン、モルフィンの順に弱くなった。バルビツレ-ト類での阻害はサイアミラ-ル、サイオペンタ-ル、ペントバルビタ-ル、ヘキソバルビタ-ルの順に弱くなった。これらの結果からハロセンの吸入時にこれらの医薬品を併用すると上記に示した順にハロセンの還元的脱ハロゲン化が抑制され、ラジカル中間体の生成も減少すると結論した。 3)タンパクあたりCDEの生成活性は肝を1とすると腎では0.11肺では0.04、CTEの生成活性は肝を1とすると腎では0.09肺では0.07であった。フェノバルビタ-ルを前投与するとCDEの生成活性は肝では2.21倍、腎では0.40肺では0.04、CTEの生成活性は肝が1.38倍、腎では0.11肺では0.07増加した。これらの結果から、フェノバルビタ-ルなどの薬物によって酵素誘導が起こっている場合には肝のみならず、腎臓も障害を受ける可能性を示唆した。
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