研究概要 |
1.アンドロゲンレセプターの精製と性状 他のステロイドレセプターの構造が決定していくなかでアンドロゲンレセプターのみは解明されず, これは不安定性による. したがって効率のよい分離手段を検討した. いくつかのアンドロゲンアフィニティゲルを比較し, 17のエポキシプロピルジヒドロテストステロンと結合したチオプロピルセフアローズが適することを見出した. アンドロゲンレセプターと共有結合させるリガンドとして, ブロモアセトキシジヒドロテストステロンがよいことがわかったが, 粗分画では非特異結合をみるため部分精製してから反応させる必要があった. これらをふまえて, 前立腺肥大症のサイトゾールよりDNA結合物質を除去し, 硫安沈澱, アフィニティクロマトグラフィー, DNAセファローズクロマトグラフィーにより1300倍精製をおこなった. 分子量は大部分45K, 一部90Kであった. (Endocrinol,Jpn 1988発表予定). 2.アンドロゲン親和性蛋白の精製と性状 研究者の研究室において, マウス・シオノギ癌115およびそのサブラインCS2, ラット・ダニングR3327前立腺癌およびそのサブラインCUBを維持している. もとのアンドロゲン依存癌はアンドロゲンレセプターをもつが, CS2とCUBは前者にレセプター, 後者にレセプターと異なるアンドロゲン親和性蛋白をみとめ, これらはアンドロゲン非依存性増殖をしめす. CUBの結合蛋白は親和性がレセプターと同じく高い. 精製は困難であったが, 40ー50Kの蛋白とみられた.
|