研究概要 |
1.膀胱腫瘍のMRIにより診断:手術により病理学的深達度と悪性度の確認された膀胱腫瘍患者22例に対し, MRI, X線CT, エコーによる診断結果を比較した. 深達度診断ではX線CT, エコーよりもMRIは優れており, 特にX線CT, エコーの弱点である膀胱〓部, 頚部の腫瘍の診断が可能であったが, 上皮内癌の診断は現時点ではけずかしかった. 飽和回復(SR)法は, gradientechoを用いているため膀胱壁を2層に描出でき, 通常のスピンエコー(SE)法, 反転回復(IR)法と比べて, 膀胱腫瘍の深遠度診断により有用なパルス系列と考えられた. 膀胱腫瘍のT1値は正常膀胱壁のT1値と比べて有意に延長しており, MR画像による腫瘍の広がりの診断の可能性を示唆していたが, T1値と悪性度の相間は現在のところ見られなかった. 2.MR画像のパーソナルコンピュータによる表示と解析 1)MR画像のパーソナルコンピュータへの転送:MR画像データをオペレーティングシステムをMSーDOSへ変更することにより, パーソナルコンピュータPC-9801・VX-21(NEC社製)へ転送し, ディスプレイに再現することができた. 以上のプログラムyアセンブリ言語によって作製した. 2)MR画像データのパーソナルコンピュータによる処理 (1)画像処理プログラム:任意のpixelの信号強度の表示, 任意の大きさの間で領域内の信号強度のヒストグラム表示, 任意の2点間の直接上の各pixelの信号強度の表示を行うプログラムを作製した. (1)画像処理装置による解析:PC-9801 VX-2*から画像処理装置LAー500(ピアス社製)へMR画像データを転送するプログラムを作製し, 画像処理測置とよる解析も可能となった. 今後, 病理組織学的所見と処理画像データの詳細な比較検討を行う予定である.
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