研究分担者 |
馬場 一憲 埼玉医科大学, 医学部・産婦人科, 助手 (30181035)
小島 俊行 埼玉医科大学, 医学部・産婦人科, 講師 (90153535)
竹田 省 埼玉医科大学, 医学部・産婦人科, 講師 (20143456)
木下 勝之 埼玉医科大学, 医学部・産婦人科, 助教授 (80010354)
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研究概要 |
両生類の卵の成熟および胚の発生にプロジェステロンが重要との知見がえられているが, 哺乳類の卵および胚での作用については必ずしも一致した成績はない. 我々はその点を明らかにするためにマウス初期胚を用いてin vitroの実験を行った. 卵成熟の指標としてはグルコースをグルコース6燐酸に代謝し,グルコース分解の律則酵素と考えられているヘキソキナーゼの活性をサイクリング法で測定した. まず3βOHステロイド デヒドロゲナーゼの阻害剤であるトリロスタンをin vitro培養中の初期胚に添加すると用量反応的にヘキソキナーゼの活性が抑えられ,さらに外因的にプロジェステロンを添加するとその活性が回復することから内因性プロジェステロンが初期胚の発生に働いていることが明らかになった. 次いで初期胚の培養液にプツジェステロンを添加し,内因性のプロジェステロンの作用を相加的に増強するかを検討したところ,ヘキソキナーゼの活性には変化がみられなかった. 他方プロジェステロンの作用機序を検索する目的でプロジェステロンの変容体部位で競合的にその作用を抑制するRU38486を初期胚培養液に添加したが,ヘキソキナーゼの活性は抑えられなかった. しかしトリロスタン添加で内因性のプロジェステロン産生を抑制し,外国的にプロジェステロンとRU38486を添加すると添加したプロジェステロンのヘキソキナーゼ活性化作用がRU38486で抑えられた. これらの成績から初期胚の発生には内因性プロジェステロンが必要でその作用としてantacrine機構が関係することが示唆された.
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