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1988 年度 実績報告書

卵の成熟と受精卵発生の調節因子の作用機序に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 62480350
研究機関埼玉医科大学

研究代表者

佐藤 和雄  , 産婦人科, 教授 (80010180)

研究分担者 馬場 一憲  産婦人科, 助手 (30181035)
小島 俊行  産婦人科, 講師 (90153535)
竹田 省  産婦人科, 講師 (20143456)
木下 勝之  産婦人科, 助教授 (80010354)
キーワードサイクリング / prostaglandin / phosphofructokinase / 卵成熟 / indomethacin / adenylcyclase
研究概要

哺乳類の成熟に関与する因子は多くのものが知られているが、細胞機能の調節因子の一つとして注目されているprostaglandin(PG)について検討し以下の結果を得た。〔方法〕Wistar系幼者雌ラットにPMS、bCGを投与し過排卵を起こし、その卵を用いて実験を行った。卵の成熟の指標としては卵核崩壊と極体の放出、さらに卵細胞質内のphosphofructokinase(PFK)の活性化を用い、PFK活性測定にはサイクリング法を応用した。〔結果〕1)LH surge前の卵胞内細胞に核の成熟はみられないが、細胞質の成熟はestrogenにより促進された。2)LH surge後は、卵の核の成熟と細胞質の成熟は平行して進行した。3)PG合成酵素阻害剤であるindomethacinによる排卵の抑制はPGE_2、PGF_<2α>、PGI_2により回復した。一方、indomethacinによる排卵の抑制はPGE_2PGF_<2α>により回復し、PGI_2は無効であった。すなわちLH surge後の排卵および卵の成熟はPGにより仲介されることが示唆された。4)A-kinase系の賦活化により卵の成熟が抑制されている条件下で、PGE_2、PGF_<2α>、hCGの卵のPFK活性を直接的に亢進させた。5)adenylate cyclaseの賦活剤であるforskolinを用い、_cAMPなどによる卵の成熟抑制が解除される機構について検討を加え、卵の成熟停止状態が維持されるためにはcAMPが卵周囲の顆粒膜細胞から卵へ持続的に供給されることが必要であることを明らかにした。
以上の結果から、PGは卵に対し直接的に、あるいは成熟抑制因子の卵への移行を遮断し間接的に作用することにより、LH surge後の卵成熟過程を仲介すると考えられる。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 佐藤和雄: 日産婦誌. 40. 225-230 (1988)

  • [文献書誌] 関博之、神保利春、佐藤和雄: 血液と脈管. 18. 582-588 (1988)

  • [文献書誌] 矢野哲、石原理、堤治、佐藤和雄、水野正彦: 講座プロスタグランジン1、生殖生理. 99-107 (1988)

  • [文献書誌] 高木繁夫、佐藤和雄 編: "陣痛のメカニズムと制御" メディカルトリビューン, 1-181 (1988)

  • [文献書誌] 佐藤和雄、室田誠逸、山本尚三: "講座プロタグラジン1、生殖生理" 東京化学同人, 1-331 (1988)

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公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

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