研究課題/領域番号 |
62480355
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
坂倉 康夫 三重大学, 医学部, 教授 (40024723)
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研究分担者 |
平田 圭甫 三重大学, 医学部, 助手 (70199066)
浜口 幸吉 三重大学, 医部, 助手 (80172964)
間島 雄一 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (60024791)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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キーワード | 滲出性中耳炎 / 中耳腔貯留液 / 粘性率 / 弾性率 / 粘液糖蛋白 / 粘液繊毛機能 / 滲出性中耳炎モデル / リゾゾマールプロテアーゼ |
研究概要 |
小児滲出性中耳炎の病態生理学的研究を目的に中耳腔貯留液を生化学やレオロジーの観点より検討し次の成果を得た。1.中耳腔貯留液の粘弾性を測定のため磁気振動球レオメーターを改良した。2.小児滲出性中耳炎中耳腔貯留液の粘弾性を測定し、その肉眼的所見と比較した。肉眼所見が粘弾性を必ずしも正確に反映するものではないことが明らかとなった。3.小児滲出性中耳炎中耳腔貯留液の粘弾性の分布は粘液繊毛機能に最適な粘弾性を有するものが少なく、粘弾性が高値および低値の2峰性分布を示すことが明らかとなった。4.粘弾性が粘液繊毛機能に最適な値を有する滲出性中耳炎は粘弾性が高値および低値のそれより予後が良いことが明らかとなった。5.中耳腔貯留液の生体防御反応の障害の有無を知るため、正常好中球を中耳腔貯留液で処理し好中球の機能に対する影響をみた。正常好中球の遊走能および殺菌能に対し貯留液は著名な影響を示さなかった。6.ネコ実験的中耳炎モデルを用いて6〜9の検討を行った。中耳腔貯留液は本モデルでは肉眼的に粘性の貯留液をみとめ、その粘弾性は小児滲出性中耳炎の粘性貯留液に類似していた。7.中耳腔貯留液の粘弾性と中耳腔粘膜の杯細胞数との間には有意の正の相関があり、粘性貯留液は主として杯細胞由来であることが明らかとなった。8.粘弾性と炎症の強さを示すカテプシンB濃度とは有意の負の相関を示し、杯細胞から分泌された中耳貯留液の粘弾性は炎症産物により修飾されることが明らかとなった。9.杯細胞からの中耳腔貯留液の産生は、その初期においては炎症細胞由来のプロテアーゼによりその産生が促進させられることが示唆された。以上より滲出性中耳炎の初期においては炎症が契機となり杯細胞よりの分泌が亢進し、さらに血清成分の漏出が加わって中耳腔貯留液が形成されること、またそのレオロジー的、生化学的評価は病態を知るうえで重要であることが明らかとなった。
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