研究概要 |
1.CNVを測定する為の機器の整備. S.ナ_<1.ニ>刺激としてRIONAAー34型より発生された音刺激を用い, S.ナ_<2.ニ>刺激として発光ダイオードによる光刺激を用いた. 前頭部,頭頂部, 後頭部より脳波を導出し, SANE17T07にて, CNVをXーYプロッターにて測定, 記録した. 2.検討した因子. CNVを初期,中期,後期の3つの成分に分けそれぞれの振幅を計測した. S.ナ_<2.ニ>刺激後にボタン押しの課題を与え, その反応時間も計測した. S.ナ_<1.ニ>刺激として, 0.5KMz〜4KHzの異なる周波数や, 種々の音量を設定した. 3.正常聴力かつ耳鳴のない群の計測. 7名の正常群では, 再現性に関してはCNVの振幅については比較的良好であった. 音量の変化では, 閾値上30dBをこえる刺激については, 振幅,反応時間に有意な差はなかった. 周波数については, 4KHz,0.5KHzよりも,1KHzにおけるCNVの解発が良好であった. 4.耳鳴患者におけるCNVの測定. 47名の耳鳴患者について同様の方法によりCNVを計測した. 興味ある知見としては 初期CNVの振幅が, 著しく大きい, 又は大きな症例が, 13名に見られた. 初期CNVはS.ナ_<1.ニ>刺激:音刺激,に対する前頭部,中心部の脳の覚醒水準の上昇を反映するといわれており, 耳鳴患者の内の一群では, 音に対する認知機構が鋭敏である可能性を示唆しているのではないかと考える. 5.次年度計画, S.ナ_<1.ニ>刺激とS.ナ_<2.ニ>刺激の間にNoiseを抑入することによりS.ナ_<2.ニ>に対する準備電位(後期CNV)の変化により, 耳鳴患者の音に対する過敏性をさらに追求する予定である.
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