研究概要 |
1.ウシおよびウサギ硝子体の可溶性蛋白のゲルおよび高速液体クロマトグラフィーを行い各分画を抽出した. 2.ウシおよびウサギ硝子体の可溶性蛋白抗体をウサギおよびモルモットで作成し各部分の固有性を免疫学的に確認することを検討した. 3.硝子体固有可溶性蛋白の1つは分子量2万を示した. 4.ニワトリ胎児の漿尿膜法を用いて血管形成因子の生物学的活性を評価した. ニワトリ授精卵を加温し漿尿膜に生ずる血管をタマゴの殻に穴を開け直視できる様にし評価すべき物質を膜上に投与した時,発達中の血管のパターンの変化を顕微鏡を用いて観察した. 血管のパターンは非特異的条件で容易に変化しその判定には慎重を要することが判明した. 胎生9日の漿尿膜の血管に線維芽細胞成長因子を投与すると血管の怒張,迂曲蛇行が認められたが明らかな車軸状を示した血管増殖パターンは得られなかった. この方法の最っとも特長的な弱点は感染を容易におこし血管発達が停止することであった. 5.ウサギ硝子体では等電点電気泳動で等電点4.6〜7.4の範囲に約30本のバンドが認められ同時に泳動した血清と比較するとそのほとんどが血清に認められた. しかし等電点6.1付近に血清には認められないバンドが認められた. 6.ウサギ硝子体のSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動で分子量23,000〜101,000の範囲に約17本のバンドが認められた. 同時に泳動した血清と比較するとそのいずれにも血清との同一性が認められ固有性は認められなかった. 7.ウサギ硝子体の二次元電気泳動でCBB染色で約27個,銀染色で約51箇のスポットが検出された.
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