1.ウシ硝子体のSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動後の免疫拡散法で認められた沈降線の部を標準タンパク質のSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動によって得られた分子量推定曲線に乗せ、分子量を推定したところ約3万であった。 2.ゲルクロマトグラフィをおこない、蛋白量を220nmで測定し、同じ分画のヒアルロン酸量を測定したところ最初のピイクはヒアルロン酸と考えられ、次のピイクはアルブミンで分子量6万から1千までの低分子領域にはヒアルロン酸分解産物は存在しないことが判明した。 3.ウサギ硝子体の二次元電気泳動でCBB染色で約27個、銀染色で約51個のスポットが検出されたが、これらスポットは等電点4.6〜7.6、分子量2万4千〜7万3千に分布していた。 4.同時に泳動した血清では、CBB染色にて約17個、銀染色で約33個のスポットが認められ、等電点4.5〜7.0、分子量2万3千〜8万4千に分布していた。 5.硝子体と血清の泳動像を比較すると、硝子体に認められたスポットのうち17個は血清のものとほぼ一致したが、他のものは血清には認められず、その多くは等電点5.0〜7.0、分子量6万以下に分布した。 6.房水では血清に認められたスポットとほとんど一致して分布した。 7.幼若ビーグル犬における酸素過剰投与は網膜症とともに硝子体血管にも増殖病変が生ずることが判明した。
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