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1988 年度 実績報告書

筋感覚受容器による咀嚼時顎運動の自動制御機構

研究課題

研究課題/領域番号 62480376
研究機関大阪大学

研究代表者

森本 俊文  大阪大学, 歯学部, 教授 (20028731)

研究分担者 増田 裕次  大阪大学, 歯学部, 助手 (20190366)
井上 富雄  大阪大学, 歯学部, 助手 (70184760)
キーワード筋紡錘 / 咀嚼筋 / 三叉神経中脳路核 / 大脳皮質性誘発顎運動 / ウサギ / 一次終末
研究概要

〔研究目的〕咀嚼時の閉口筋活動は、食物の性状に対応して調節されている。例えば、硬いあるいは強靱な食品を咀嚼すると閉口筋活動は増加する。同様の現象は麻酔を施したウサギにおいても認められ、リズミカルな大脳皮質性誘発顎運動(CRJM)中に上下顎臼歯間に物体を挿入すると閉口筋活動が増大する。この現象に閉口筋中の感覚受容器が関与するか否かを検討するため、ウサギを用い、1)咀嚼時の閉口筋活動に対する筋感覚遮断の影響について、2)下顎の受動的運動およびリズミカルな顎運動中の閉口筋感覚受容器の活動について分析した。
〔研究方法〕実験には、体重2.5kg〜3.5kgの雄成熟ウサギを用いた。顎運動の記録はHeーNeレーザーを利用した顎運動描記装置を用いた。また、咬筋(閉口筋)と顎二腹筋(開口筋)より筋電図活動を同時に記録した。閉口筋からの感覚神経が投射する三叉神経中脳路核でのニューロン活動の記録にはガラス管微小電極を用いた。
〔結論〕1.三叉神経中脳路核破壊によって閉口筋の筋感覚入力を遮断すると、麻酔下動物のCRJM中において上下顎臼歯間にテスト物体を挿入したときの閉口筋活動の増大率は有意に減少した。したがって、筋感覚も咀嚼時の閉口筋活動の調節に関与していることが示された。2.筋感覚受容器は、SChの投与により応答性の増大するもの(一次終末)と変化しないもの(二次終末)の2つのグループに分けることができた。このうち、SCh感受性のあるものは主として開口時のみ、あるいは開口時と咬合時の両方に放電を示した。また、これらのニューロンのうち、咬合時にも放電を示すタイプのものが咀嚼時の閉口筋活動の調節に関与している可能性が示された。以上の実験結果より閉口筋中に存在する筋紡錘の一次終末が食物の性状に対応した咀嚼筋活動の調節に役立っていることが強く示唆された。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] T.Nagashima;M.Yoshida;Y.Masuda;T.Inoue;T.Morimoto: J.Physiol.Soc.Jap.49. 407 (1987)

  • [文献書誌] T.Morimoto;T.Inoue;Y.Masuda;T.Nakamura;T.Nagashima: Neurosci.Res.Suppl.5. S136 (1987)

  • [文献書誌] Y.Masuda;T.Inoue;O.Saitor;T.Morimoto.: Neurosci.Res.Suppl.7. S200 (1988)

  • [文献書誌] T.Inoue;Y.Masada;O.Saitou;T.Morimoto: J.Physiol.Soc.Jap.50. 450 (1988)

  • [文献書誌] T.Nakamura;T.Inoue;S.Ishigaki;T.Morimoto;T.Maruyama: Int.J.Prosthodont.

  • [文献書誌] T.Inoue;Y.Masuda;T.Nakamura;Y.Kawamura;T.Morimoto: Exp.Brain Res.

  • [文献書誌] T.Morimoto: "Perception of intraoral stimulation,"Neurophysiology of the jaws and teeth"." McMillan,

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公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

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