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1988 年度 実績報告書

味覚受容器の動態とLife Cycle

研究課題

研究課題/領域番号 62480382
研究機関鹿児島大学

研究代表者

笠原 泰夫  鹿児島大学, 歯学部, 教授 (10028730)

研究分担者 原田 秀逸  鹿児島大学, 歯学部, 助手 (60128452)
丸井 隆之  鹿児島大学, 歯学部, 助教授 (40076047)
キーワード味覚受容の成長変化 / 糖受容器と交叉順応 / 糖受容器と蛋白分解酵素 / 単一味神経線維の糖応答
研究概要

昭和62年度には各種の糖に対する味覚神経の応答性が新生児期から成熟期にいたるまでに特徴的な変化をすることを明らかにした。本年度はこの各種の糖に対する味受容性の相違の機序を解明すべく研究を行い以下の結果を得た。1)各種の糖の組合せで交叉順応実験を行ってみると成熟した8週齢ラットでは0.5Mの蔗糖、黒糖、乳糖、ガラクトース、ブドウ糖及び麦芽糖について相互の間での味応答の交叉順応が有意差をもって認められなかったのに反し、幼若な2週齢ラットではわずかに乳糖と黒糖及びブドウ糖の間で交叉順応が認められなかっただけで残りすべての例で交叉順応が認められた。2)糖の受容サイトは蛋白質である可能性が示唆されているが、味受容器にプロナーゼEを作用させると各種糖に対する味応答が直後から特に大きな影響を受けるが幼若ラットでは約60分で回復するのに反し、成熟ラットでは蛋白分解酵素の影響が一層大きく60分経過後も対照値の50%しか回復しなかった。尚この傾向は用いた各種糖の間では大きな差異は認められなかった。3)単一糖線維を分離し各種の糖刺激に対するインパルスパターンを調べてみると、単一の糖線維の間でも蔗糖によく応答するもの、果糖あるいは乳糖によく応答するものなどの性格の違いがあることが明らかになり、またこの傾向は成長に伴い一層強くなった。4)各種糖刺激に対する味神経の積分応答に関しては、成熟ラットではON応答とOFF応答の間に負の相関があることが明らかになっているが、幼若ラットについてはこの関係がまったく認められなかった。
以上のことから味覚受容器は生後も機能的分化が続くものであり乳糖等に対する受容サイトは生後のきわめて早い時期に分化がすすむものと思弁された。また、組織学的には少なくとも成熟するまでは味蕾の数が出生時のまま維持されることが示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Kumamoto,N.: Japanese Journal of Oral Biology. 30. 652-663 (1988)

  • [文献書誌] Maeda,S.;Harada,S.;Kumamoto,N.;Kasahara,Y.: Proceedings of the 22nd Japanese Symposium on Taste and Smell. 22. 149-152 (1988)

  • [文献書誌] Harada,S.;Maeda,S.;Kasahara,Y.: Abstracts of XIth Annual Meeting of the Association for Chemoreception Sciences. 11. 9 (1989)

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公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

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