1.コンポジットレジン溶出液のマイトジェン活性 硬化させた光重合型コンポジットレジン(フォトクリアフィルA)よりR-PMI-1640培地中に溶出してきた成分のもつマイトジェン活性をBALB-/cマウス脾細胞を用いて調べた。各実験ごとのデータのバラツキが非常に大きく、明確なdose-responseは得られなかったが、溶出液の最終希釈倍数が2倍と16倍のときには常に明確なマイトジェン活性の発現が観察された。 2.溶出液の高速液体クロマトグラフィー(HPLC)による分画 蒸留水中へのコンポジットレジン溶出物をHPLCで分画し、モノマーであるBis-GMAと3Gの存在を確認した。他にも多くの成分の存在はあったが、その物質名を特定することができなかった。各成分を分取・濃縮し、各々についてそのマイトジェン活性を確認することを試みたが、元来蒸留水中への溶出量が非常に少ないことと、HPLCの装置全体を滅菌することができないため、分画中の細菌汚染を完全に排除することができないのでこの計画は断念し、HPLC分析で溶出の認められたBis-GMAと3Gについて、そのマイトジェン活性を調べた。 3.コンポジットレジン成分のマイトジェン活性 Bis-GMAと3GのRPMI-1640培地での飽和溶液を同培地で2倍連続希釈したものについて、そのマイトジェン活性を調べた。その結果、双方ともに強いマイトジェン活性を認めた。これによりコンポジットレジン溶出物のもつマイトジェン活性のかなりの部分は、未反位のBis-GMAと3Gが担っていることが推測された。
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