研究概要 |
高齢者における舌運動の巧緻性, 指示追従性を若年者と比較・検討することを目的として, 超音波診断装置により舌運動を観察・記録した. 記録装置: 超音波診断装置は Aloka 社製 汎用超音波診断装置 SSDー630を, 舌運動観察用探触子として周波数5MHz, 曲率半径 60R,電子コンベックス浅部用探触子 USTー935Nー5,表示深度 70mmを用い, 記録には, Aloka社製 Ultrasono Recorder SSZー95,6インチドライシルバーペーパー使用を使用した. 記録方法: 被験者をフランクフルト平面が可及的に床と平行になるように椅子に座らせ, 下顎底にエコーゼリーを塗った Probeを置き, BーMode像にて矢状面における舌の断面をモニターに写し出し, Trackballにより Mカーソルの位置を下顎骨前方部の陰影の遠心端と舌安静時の最上端部の中央に移動し, Mモードにて咬頭嵌合位での舌の上下運動を記録した. 上下運動は咬頭嵌合位にて舌を安静にさせた位置より, メトロノームにあわせて舌尖を切歯乳頭と舌小帯上方付着部に, 毎分60回と120回の2種類のスピードで軽く触れる運動を指示した. 分析方法: 安定した10回の運動リズムを観察した. すなわち, 上下運動サイクル, 上昇運動時間, 口蓋接触時間, 下降運動時間, 舌小帯接触時間である. そして, 各々の時間およびサイクル中に占める割合, 上昇・下降運動の平均速度とそれらの規則性を分析した. なお, これらの演算は, 分析用プログラムを制作し, デジタイザーにより行った. 現在, 分析結果について検討中であり, 未だ論文発表は行っていない.
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