研究課題/領域番号 |
62480393
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研究機関 | 奥羽大学 |
研究代表者 |
野口 八九重 奥羽大学, 歯学部, 教授 (80083434)
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研究分担者 |
越中 優 奥羽大学, 歯学部, 助教授 (10094939)
増原 英一 奥羽大学, 歯学部, 客員教授 (00013772)
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キーワード | 放電加工 / セラミックス / 歯科修復物 / 銅電鋳 / 銀鏡法 / 均一電着性 / 電極耐久性 / 導電性石こう電極法 |
研究概要 |
本研究の最終年度に当たり、放電加工により複雑にして精巧な歯科修復物を作製するために重要な役割を果たす電極作製について検討を加え、そらにこれまでの成果を踏まえオ-ルセラミックスクラウンの作製を試みた。 [電極作製法の検討]電極作製には電着法が適しているが、その作業時間を短縮するために、まず従来の銅電着法について基礎的な検討を行い、次に、より簡便な電極作製法として導電性石膏電極法について検討した。 1.銅電鋳の基礎的検討:短時間が均一な電着膜を得るために、各種歯科用印象材に対する銀鏡膜の付着性、電着浴と均一電着性、電着膜厚と電極耐久性について検討した。その結果、銀鏡膜の付着性から見て印象材には、ビニルシリコ-ン印象材が適しており、銀鏡法では、その均一性においてクリオキザ-ル法が優れていた。均一電着性は、高速電着用としてよく用いられている高濃度硫酸銅浴の硫酸銅および硫酸の濃度を逆転させた逆転組成硫酸銅浴が優れ、深い印象部分でも高速の電着が可能であった。放電加工に必要な電着膜の厚さは、TiB_2系セラミックスを電流4A、パルス幅32μsの条件で加工する場合には、60μm以上で十分であることがわかった。 2.導電性石膏電極法 上記のことから、比較的薄い銅電着膜でもセラミックスの加工が行えることがわかったので、銅粉を混合することで導電性を与えた石膏で模型を作製、これに銅電着を行い、電極とする方法の可能性を探索した。精度的な検討はまだ不十分であるが、放電加工が可能な電極を短時間で作製することができた。 [オ-ルセラミックスクラウンの試作]前述の成果を踏まえ、TiB_2系セラミックスでコア-を放電加工により作製し、その上にアルミナス陶材を焼成したオ-ルセラミックスクラウンの試作を行った。色調に若干問題があるが、実用に耐えるクラウンの作製が可能なことを確認した。
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