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1988 年度 実績報告書

老人と歯科医療とに関する研究-有床補綴処置による咀嚼機能回復に関する補綴学的ならびに栄養学的検討-

研究課題

研究課題/領域番号 62480397
研究機関日本大学

研究代表者

小林 喜平  日本大学, 松戸歯学部, 助教授 (90050046)

キーワード特別養護老人 / 有床義歯 / 食生活 / 栄養分析 / 咀嚼 / ADL
研究概要

歯科外来にて治療を受けられない寝たきり老人については、そのすべてを把握することは難しく、いまだ十分に理解されていないのが現状である。今回、有床補綴の立場より、これら高齢者の咀嚼機能の回復に当たり義歯によりその目的がどのように達成されるかを検討する目的で、特別養護施設の入所者を対象にその口腔内の実態調査を基に、補綴学的ならびに栄養学的面から食物の物性を主にして、食事の調理形態を多方面から検討を加えた結果、寝たきりの高齢者に適した義歯の対策を立てる上で重要な指針が得られたと思われる。
本研究の結果をまとめると以下のようになる。
1.ADL(日常生活動作能力)については次のような傾向が出た。
(1)全般的に、ADLのレベルと年齢との間に関連が見られ、また高年齢になるに従いADLのレベルの低下する傾向が見られた。
(2)ADLレベルの低下と共に義歯使用者の比率が減少した。
(3)食事の項目は、レベル2以外では綜合評価を良く反映していた。
(4)女性は、どの年齢群でもADLレベル2,3の比率が高かった。
2.食事の調理形態については以下の傾向が得られた。
(1)全被検者において常食を採る者は主食で30%、副食で15%であり、多くの老人が柔らかい食事を選んでいた。
(2)主食、副食とも常食を採る者は、義歯使用者に多く、顎粘膜の良好な状態であったが、無咬頭歯を使用している者の方が多かった。
(3)ADLレベルの低下と共に常食者の比率が減少する傾向があるが、副食でその傾向が強くみられ、増齢化と供に食事の楽しみが減少すると思われ、摂取食品および栄養素別充足率の不足する者が多いことからも納得出来た。寝きり老人の食生活の一面が観察できたが、それぞれ個人差があり、更に他の観点からも、より客観的な追跡を行ないたい。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 小林喜平: 老年歯科医学. 3. (1989)

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公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

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