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1987 年度 実績報告書

骨形成蛋白添加による骨誘導能を有する人工骨の開発とその臨床応用に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 62480403
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

榎本 昭二  東京医科歯科大学, 歯学部第2口腔外科, 教授 (40013940)

研究分担者 石田 恵  東京医科歯科大学, 歯学部総合診断部, 助手 (00134734)
名倉 英明  東京医科歯科大学, 歯学部第2口腔外科, 助教授 (80013960)
キーワード骨形成蛋白 / 骨誘導 / 人工骨 / ハイドロキシアパタイト / 医療用コラーゲン
研究概要

1.ウィスター系ラット長管骨よりReddiらの方法に準じて,骨形成蛋白を含む4M塩酸グアニジン可溶性画分(crude BMP)を調整した. この画分をハイドロキシアパタイト顆粒(HA)あるいは三リン酸カルシウム顆粒(TCP),さらに医療用アテロコラーゲン(AC)と混合し,凍結乾燥処理後,同系ラッとの頭蓋骨欠損部及び皮下に移植し,組織学的検索を行った. その結果,以下の知見が得られた. (1)骨欠損部移植において,HA単独移植に比べ,BMPとHAの2者混合移植,さらにそれにACをも添加した3者混合移植の方が,HA顆粒間にも骨形成が著明に促進され,移植後6週までに欠損部の閉鎖が観察された. (2)TCPを用いた場合も同様の所見が得られた. (3)皮下移植においては,HAあるいはTCP単独移植では,移植顆粒は線維性結合組織に被包され,骨形成は認められなかった. (4)一方,BMPとACを添加した3者混合移植では,骨形成が著明に認められた.
2.BMPの精製においては,ウシ脱灰骨より,crude BMPを調整し,Sephacryl Sー200,CMーCellvloseにより精製を行った. 結果,(1)Sephacryl Sー200で精製した活性画分では,精製度7.1倍,回収率58.7%であった. (2)この活性画分をさらにCMーCellvloseにより精製すると,精製度40倍,回収率6.2%の活性画分が得られた. (3)この精製物はSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動で,分子置18,000の蛋白質をメインバンドとするものであった.
以上より,主にラットを用いた動物実験において,骨伝導能のみ有する従来の人工骨に対して,BMPとACを添加することにより,骨伝導能と同時に骨誘導能を有する人工骨の開発が可能であることが,明らかとなった.
今後は,BMP,HA,ACの3者の混合条件,処理方法を再検討し,微量のBMPを有効に使用するための条件設定を行う共に,BMPの精製を行う予定である.

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公開日: 1989-03-30   更新日: 2016-04-21  

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