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1989 年度 実績報告書

顎関節内障における関節円板の病態に関する総合的研究

研究課題

研究課題/領域番号 62480410
研究機関東京歯科大学

研究代表者

高野 直久  東京歯科大学, 口腔外科学第2講座, 助手 (00192154)

研究分担者 高橋 庄二郎  東京歯科大学, 口腔外科学第2講座, 名誉教授 (70085710)
キーワード顎関節内障 / 関節円板 / 顎関節腔造影エックス線検査 / 顎関節腔鏡視法 / 顎関節内障手術
研究概要

顎関節内障患者の327関節に対して関節円板の動態観察を行ったところ、円板の位置ならびに動態異常が222関節67.9%にみられ、復位を伴わない前方転位が155関節69.8%、復位を伴う前方転位が57関節25.7%、協調失調8関節3.6%および復位を伴う後方転位2関節0.9%であった。さらに顎関節造影検査をエックス線CT装置にて行ったところ関節円板の描出、位置および形態が容易に判定できた。また造影をしないエックス線CT像でも矢状断と前額断CT画像デ-タをパ-ソナルコンピュ-タを用いてカラ-画構成像を描出させることにより関節円板の位置、形態を把握できた。なお術前の顎関節腔造影エックス線検査と術中所見との一致率は92%であった。次ぎに上関節腔内に顎関節観を挿入し病変を観察した結果、復位を伴わない円板前方転位症例では後方腔の滑膜うっ血および発赤などの炎症性変化と関節結節部滑膜のフィブリレ-ションおよび前方腔における前縁部や内側壁部の線維性癒着所見などの病変の存在が多くみられ、腔の狭小化がみられた。さらに復位を伴わない関節円板前方転位例の顎関節内障手術施行時における切除円板の連続切片標本における病理組織学観察の結果、円板後部結合組織では血管結合組織の反応性増殖が、円板中央部から後方部では膠原線維の減少や消失、線維細胞の密度の低下などの退行性変化が観察された。以上のごとく、顎関節腔造影エックス線所見、顎関節腔鏡視所見、顎関節内障手術時所見および手術時切除標本の病理組織学的観察結果から有意義な情報を得れるものの、顎関節内障も円板の転位の程度ならびに円板変形ないし変性の程度により、軽症のものから変形性顎関節症と識別困難な重症例まで多様な病態を呈し、とくに関節円板の推移ならびに運命について未だ不明な点が多いようであることから、今後も症例を追加しながら総合的に比較検討していく予定である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 高野直久,他: "エックス線CT画像デ-タからの顎関節部カラ-再構成画像の描出" 日本顎関節学会雑誌. 1. 10-18 (1989)

  • [文献書誌] 坂井孝郎,他: "顎関節円板の3次元画像再構築について" 日本顎関節学会雑誌. 1. 237 (1989)

  • [文献書誌] 柴田考典,他: "顎関節内障患者にみられた関節円板の石灰化について" 日本顎関節学会雑誌. 1. 238 (1989)

  • [文献書誌] 高野直久,他: "高分解能エックス線CTによる顎関節部の観察(第1報)直接矢状断CT画像のカラ-表示" 日本顎関節学会雑誌. 2. (1990)

  • [文献書誌] 宇野澤秀樹,他: "切除円板の病理組織学的検討" 日本顎関節学会雑誌. 2. (1990)

  • [文献書誌] 米津博文,他: "当教室における上下顎関節腔造影エックス線検査法の検討" 日本顎関節学会雑誌. 2. (1990)

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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