研究概要 |
歯科放射線の分野でも, 総合画像診断が一般的になる傾向がみられる. しかし, 画像対象は違っても病態を推理する上での思考過程は同一と考えられる. そこで, 無駄のない読影手順を決定するための資料として口内法像やパノラマ像を中心に臨床経験別の読影過程分析を研究目的とした. 1.対象画像の製作 アイマークレコーダを使用するには口内法やパノラマ撮影法の像では, 小さすぎて拡大する必要性があった. また, 読影にはある程度の明るさが必要であり, 観察方法によっては明るさが不十分で観察に適さない場合も生じた. 実験としては以下の三つの場合を設定した. (1)X線写真像をそのまま用いて観察した. (2)病的像をスライドに作製し透過形のスクリーンに投影, 観察を行った. (3)病的像をVTRに録画し, TVモニター上に再生して観察を行った. 結果はケースバイケースで, (2),(3)を用いるのが適当と判断した. 2.読影者の選定 被服者は, できるだけ正常な視力を有するか, またはソフトコンタクトレンズ装着者が実験に適した. この条件にかなう下記の者を対象とした. (1)学生は教育段階別に6年生, 5年生, 4年生のそれぞれから選んだ. (2)歯科放射線科医員, 開業歯科医師なども読影者とした. 3.アイマークレコーダのデータの解析 アイマークレコーダの装着法によっては, 正確な眼球の運動軌跡が安定して得られないことがある. この点を解決し, 正確な眼球運動軌跡を得るために頭部の固安法を確実に行える方法を検討している. また, 対象画像には他のX線撮影法はもちろん, 処理法を異にするXero,CR,CT像の資料も作製中である.
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