研究課題/領域番号 |
62480413
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
小児・社会系歯学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
三浦 不二夫 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (90013789)
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研究分担者 |
半田 秀穂 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (90143601)
茂木 正邦 東京医科歯科大学, 歯学部, 講師 (30134729)
栗原 三郎 東京医科歯科大学, 歯学部, 講師 (70126225)
相馬 邦道 東京医科歯科大学, 歯学部, 助教授 (10014200)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1989
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キーワード | 矯正治療 / 歯の移動 / ニッケルチタン合金ワイヤー / 超弾性 |
研究概要 |
以下の1)ー4)の研究を研究分担者が行い、研究代表者が総括を行なった。1)理工学的研究:NiTiワイヤーの熱処理方法の研究から、同一線径でも異なった超弾性力を発現させることが可能となり、神経生理、組織学的研究に用いるアーチワイヤー、コイルスプリングを製作した。また、ワイヤーに直接通電して発熱させるDERHT Methodを考案してワイヤーの屈曲、形状付与が可能となり臨床応用の一助となった。さらに生力学的研究で得られたアーチフォームを予測模型を電気炉とを用いて熱処理して形状付与させる方法を考案し従来は困難であった精細なワイヤーコントロールを可能とした。2)生力学的研究:矯正治療に用いるアーチワイヤーの形状は、正常咬合者の歯列弓形態を与えてよいことが分かった。この歯列弓と、顎骨に対し三次元有限要素法を用いて咬合応力解析を行い、応力分布を検討した。その応力分布は、矯正用ワイヤー装置の設計の一助となった。3)神経生理学的研究:ヒトにおいて歯に超弾性力を加えた際の歯根膜感覚単位の生理学的応答特性を明らかにした。刺激強度、速度の変化に対する単一感覚単位の発火頻度を見た結果、下顎前歯及び口腔粘膜を支配する遅順応性の単一感覚単位には、弱い持続的な超弾性力のレベルの強度検出器、速度検出器としての機能的役割を兼ね備えているものがあることが判明した。4)組織学的研究:イヌを用いたin vivoの歯の移動実験系において超弾性力における組織変化を観察検討した結果、歯周組織のリモデリングは活発かつ正常に行われ、生体為害性がきわめて少ないことが分かった。以上のように、超弾性型ニッケルチタン合金線ワイヤーから得られる超弾性力を歯の移動のための矯正力として利用したときの生体への作用について総合的に研究した結果、数多くの点で従来の材料によるものより優れていることが解った。
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