研究課題/領域番号 |
62480423
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
古谷 力 北里大学, 薬学部, 教授 (10050345)
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研究分担者 |
綾部 真一 北里大学, 薬学部, 助手 (40050679)
吉川 孝文 北里大学, 薬学部, 助教授 (80050540)
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キーワード | ベニバナ(Carthamus tinctorius) / ビタミンE / トコフェロール / 細胞培養 / 緑化細胞 / 細胞融合 / 選抜 / 物質生産 |
研究概要 |
ベニバナ(Carthamus tinctorius)のつぼみより誘導したCaf-DK株、さらに培地成分の調節により分離したCaf-B2KC株に加えて、新たに芽生えより光照射下にやや緑化したCa-2、Ca-3株を分離した。Ca-2株は暗所静置培養ではCaf-DK株の1.5倍のトコフェロール量を示した。一方、光照射下ではCaf-DK株が成育阻害を受けるのに対して、Ca-2株は活発に成育し、暗所での9.5倍の増量が認められ、そのうち80%がα-トコフェロールであった。最近、新たに分離したCa-3株はCa-2株のさらに1.5倍のトコフェロール生産を示した。Ca-2株は生合成全駆体によるトコフェロールの増量はCaf-B2KCの4.98倍に比べると1.81倍でそれほどの増量は認められなかった。しかし、α-トコフェロールは全体の83.0%(Caf-B2KC株は26.2%)と非常に高い値を示した。 細胞融合装置(Shimadgu SSH-1)を用いての融合実験は(1)ベニバナCaf-B2KC株とベニバナ幼植物の葉肉細胞から調整したプロトプラスト、(2)ベニバナCaf-B2KC株とヒマワリ(Helianthus annuus)緑化細胞のプロトプラスト、以上2組の組合わせで主に行った。その結果、各プロトプラストの調整は前年度研究成果で示したように容易に得られた。しかし、実験(1)では幼植物葉肉細胞由来のプロトプラストが非常に弱く、融合装置でのパールチェーン形成にも到らなかった。実験(2)では各プロトプラストの電気融合装置でのパールチェーン形成、さらにパルス電圧下での融合は高頻度で認められた。しかしながら、ヒマワリ緑化細胞の葉緑体形成が細胞レベルでは非常に低く、顕微鏡下での肉眼での両者の識別が非常に困難で異種細胞間の融合をはっきりとは識別できなかった。現在、ヒマワリの葉緑体が導入されたベニバナ細胞を検索中であるが、今のところベニバナの緑化細胞は得られていない。
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