研究課題/領域番号 |
62480424
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物系薬学
|
研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
大石 幸子 北里大学, 薬学部, 教授 (70050416)
|
研究分担者 |
宇都宮 郁 北里大学, 薬学部, 助手 (70168722)
八巻 幸二 北里大学, 薬学部, 助手 (70174597)
林 泉 北里大学, 薬学部, 講師 (90172999)
林 正彦 北里大学, 薬学部, 講師 (20164965)
|
研究期間 (年度) |
1987 – 1989
|
キーワード | キニノゲン欠損ラット / 高分子キニノゲン / T-キニノゲン / カラゲニン胸膜炎 / 炎症反応 / アラキドン酸代謝物 / 低分子キニノゲン / ラジオイムノアッセイ |
研究概要 |
1.ラットの高分子、低分子、T-キニノゲンに対する特異的モノクロ-ナル、ポリクロ-ナル抗体を作成し、各キニノゲンのラジオイムノアッセイ(RIA)系を確立した。これを用いて正常ラット(B/N-Kitasato)と血漿キニノゲン欠損ラット(B/N-Katholiek)の血漿中および肝臓中キニノゲン量を測定した。欠損ラットの血漿中高分子、低分子キニノゲンは正常の3%であったが、肝臓中は60%が存在した。肝臓細胞のprimary cultureを行って調べたところ、欠損ラットの肝細胞では高分子、低分子、キニノゲンの生合成は行われているが、培養上清への分泌がみられず、分泌異常であることが示された。 2.これらの抗体を用いて、炎症局所でキニノゲンから、キニンが遊離されて、働いているのかどうかを検討した。正常ラットのカラゲニン胸膜炎の3時間の胸腔浸出液をSDS電気泳動し、それぞれの抗体でイムノブロッテイングを行ったところ、高分子キニノゲンは殆どすべて、キニンフリ-キニノゲンとなっているおり、高分子キニノゲンからキニンが遊離していることが認められた。低分子キニノゲンとT-キニノゲンはキニンを遊離したという証拠は認められず、浸出に対しての寄与は殆どないと考えられた。またカラゲニン胸膜炎の浸出液中のアラキドン酸代謝物の産生は欠損ラットにおいて有意に低値であり、炎症局所でのアラキドン酸代謝物産生にキニンを介している系があることが示された。 3.T-キニノゲンは欠損ラット、正常ラットのいずれにおいても、炎症の惹起後1-2日に血漿レベルが10-20倍に増加し、ラットの急性相蛋白であることが確認された。またラットの成長及び、性によってT-キニノゲンのレベルが変化した。未成熟ラットにエストロゲンを投与すると増加がみられ、その産生にホルモンの制御があることが示された。またT-キニノゲンレベルを増加したラットで、炎症反応に変化はみられず、炎症の初期の浸出液貯溜にはT-キニノゲンの関与は認められなかった。
|