研究課題/領域番号 |
62480435
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
河合 忠 自治医科大学, 医学部, 教授 (60048957)
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研究分担者 |
伊藤 喜久 自治医科大学, 医学部, 講師 (20129026)
笠原 忠 自治医科大学, 医学部, 助教授 (60049096)
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キーワード | サブクラス / IgA / α_1ーマイクログロブリン / 選択的IgA欠損症 / 多発性骨髄腫 / 酵素免疫測定法 |
研究概要 |
昨年度に引き続いてIgAサブクラスに関する基礎研究と臨床応用について研究を進めた。基礎研究ではHemophilus inf Clostridium.r.などのIgA1プロテア-ゼ処理によるWestern blotting法により、抗IgA1マウスモノクロ-ナル抗体が、IgAヒンジ部よりC末端、Fc部分も含むエピト-プを認識していることが、最終的に明らかにされた。一方、臨床応用ではこれまでの研究から確立されている酵素免疫測定法を用いて、正常者、および種々のIgA異常症の血清動態分析を行った。10歳〜60歳までの正常男女82名の測定では、IgA1は平均2.2mg/ml、IgA2は0.2mg/mlでIgA1/IgA2比9.4で、IgA1は全年齢と通して女性が男性に比べて高値の傾向を示した。IgA欠損症患者では、18例中10例がIgA1、IgA2共に欠如し、6例がIgA2が低値、IgA1が欠如し、2例がIgA1が欠如していた。IgA多発性骨髄腫では、任意に収集した117例中104例がIgA1型、13例がIgA2型と判定され、酵素免疫測定法によるIgA1、IgA2サブクラス分別定量への道が新たに開かれた。また本研究との関連から、ヒトα_1ーマイクログロブリンーIgA複合体形成に関する研究、世界で第3例目のリンパ腫型α鎖病の異常構造免疫グロブリンの構造解析(本研究で得た抗体を使用)、ヒトβ_2ーマイクログロブリンの研究などの病態検査学上の意義についての研究を推進して応分の成果を得た。研究プロジェクトとしては本年度が終了するが、今後共、引き続いて本研究を進め、抗IgA抗体検出を目的とするスクリ-ニング検査の確立、IgA1、IgA2抗原の標準化、モノクロ-ナル抗体のエピト-プの認識に関する諸問題、α_1ーマイクログロブリンーIgA複合体に関する構造究明に努めて行く予定である。
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