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1987 年度 実績報告書

周波数依存減衰による音響組織特性に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 62480436
研究機関自治医科大学

研究代表者

伊東 紘一  自治医科大学, 医学部, 助教授 (60095007)

キーワード超音波 / 周波数依存減衰 / SpectralーShift ZeroーCrossing / 肝 / 脾 / 脂肪肝 / 限局性病変
研究概要

超音波診断の定量化を行こなうためにSpectralーShift ZeroーCrossing法を用いた周波数依存減衰を計測した. まづはじめに正常者41名を用いて肝の周波数依存減衰値(FDA)を計測した. 正常肝のFDAは0.55±0.05dB/cm/MHZであった. 正常脾のFDA値をも求めたところ0.37±0.06dB/MNZであった. 他の手法を用いた減衰値の報告も散見されるが,本手法は容易な手法で安定性があり他の方法よりも優ぐれていた. 次いで慢性肝炎の患者の肝FDAを求めたところ0.64±0.12dB/MHZと高値を示した. Duunetの多重解析により正常値との間に有意な差をみとめた. 肝硬変患者においてもFDAは0.63±0.13dB/cm/MHZで正常値との間には有意な差が認められ,慢性肝炎との申には差はないという結果であった. 脂肪肝はFDA値が0.81±0.17dB/cm/MHZと著るしい高値を足し,Duunetの多重解析では明らかな差をみとめた. 肝硬変や慢性肝炎に比して脂肪肝は有意に高圧を示しており,FDA計測は脂肪肝の定量的評価に最も有効であることが示唆された. 今後は脂肪量とFDA値との間の相聞を脂肪量の化学的計測値と比較する必要である. また脾のFDA値も脂肪肝において高値を示す様なので,今後の検討課題として脂肪肝における脾の態度の研究を進める方針である.
肝の限局性病変である肝細胞癌,転移性肝癌,肝血管腫,その他のFDA値の計測を行ったところ0.38±0.08dB/cm/MHZと正常FDA値に比して低値を示した. この値もDuunetの多重検定により有意であり,既局性病変は低値である事が示されたが,少数例の検討であるために,症例数を増して,低値である事と,限局性病変の中でも種別に差があるか否か,あるいは限局性病変によって特徴のある所見が得られるか否かを統計したい, 残りの2本間において,これら諸点を解明すると共に病変の対象を撤去し,FDAを計測して,その有用性を検討したい.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 伊藤紘一: J.of clinical Ultrofound. (1988)

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公開日: 1989-03-30   更新日: 2016-04-21  

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