研究概要 |
各種スポーツマンにおいて, 左室の形態(肥大, 拡大)と左心機能および不整脈の発生との関連を, 心エコー図およびホルター心電図を用いて検討した. 静的運動を主体にする重量挙げ運動家では, 左室肥大が約20%の例に認めわれた. 静的運動負荷試験中にはほとんど不整脈の発生はみられなかった. 実際の運動中の心電図には記録に当って問題があり, 現在検討中であるが, 解決可能であると考えている. 静的運動負荷中の左心機能においては, 肥大例において軽度の機能障害を示唆する成績が得られた. 動的運動を主体にする長距離走者では, 左室拡大と肥大がそれぞれ約20%の例に認められた. 動的運動負荷試験中にはほとんど不整脈の発生がみられなかったが, 実際の長距離走中には約30%と高率に心室性期外収縮の発生が認められた. 期外収縮の発生例には左室肥大例が多い傾向がみられたが, 統計学的には有意差は認められなかった. 現在症例数を増やして検討を続けている. 他のスポーツマンにおいては, 末だ少数例の検討であり, 特別の知見は得られていない.
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