研究課題/領域番号 |
62480444
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
体育学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
松田 光生 筑波大学, 体育科学系, 助教授 (20110702)
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研究分担者 |
山口 巌 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (30111389)
芳賀 脩光 筑波大学, 体育科学系, 助教授 (80093102)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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キーワード | スポーツマン / 突然死 / 左室肥大 / 左室拡大 / 心室性不整脈 / 左心機能 / 動的運動 / 静的運動 |
研究概要 |
動的運動トレーニングおよび静的運動トレーニングを継続しているスポーツマンにおいて、運動中の突然死が起こる要因となり得る心室性不整脈の発生状況および左心機能異常の有無と、左室の形態(拡大、肥大)との関連を心エコー図およびホルター心電図を用いて検討した。 動的運動を主体にする26名の長距離走者において、長距離走中の不整脈の発生状況を検討した。長距離走中には23%と高率に心室性期外収縮の発生が認められた。左室拡大が31%、肥大が23%の例に認められた。左室肥大例には期外収縮の発生が多く、しかも期外収縮発生例では内径と不均衡に壁が肥大している傾向が見られたが、統計学的には有意差は認められなかった。今後さらに対象例数を増やすことと、今回の対象例における長期的追跡調査が必要であろう。 静的運動を主体にする70名のパワーリフターにおいて、静的運動負荷が左心機能に及ぼす影響を検討した。左室壁肥大が20%の例に認められた。肥大群と非肥大群の間には、安静時および運動中とも、収縮期および拡張期の左心機能そのものには差が認められなかった。しかし収縮機能および拡張機能とも、それらの運動負荷による変動を検討すると、肥大群において軽度の機能障害が存在する可能性が示唆された。 静的運動を主体にする45名のパワーリフターにおいて、重量挙げ中の不整脈発生状況を検討した。重量挙げ運動中に24%の例に心室性期外収縮が発生した。発生頻度は年齢が高いほど増加した。左室肥大が16%の例に認められたが、その肥大はいずれも軽度のものであった。左室肥大の有無し、心室性不整脈発生の有無との間に関連は認められなかった。肥大の程度が高度のものにおける検討が今後の課題として残されている。
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