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1988 年度 実績報告書

新しいフォスフォノ糖脂質群の構造と機能に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 62480450
研究機関新潟大学

研究代表者

佐武 明  新潟大学, 脳研究所, 教授 (70018589)

研究分担者 渡辺 洋子  新潟大学, 医療技術短期大学部, 助手 (80018853)
阿部 幸子  新潟大学, 脳研究所, 助手 (60018603)
安藤 進  東京都立老人総合研究所, 生化学部, 室長 (30073000)
荒木 恵子  新潟大学, 脳研究所, 助手 (70018604)
キーワードフォスフォノスフィンゴ糖脂質 / 化学構造 / ピルビン酸結合ガラクトース / 免疫組織化学 / あめふらし神経内局在
研究概要

1.昨年に引き続き、Aplysia Kurodaiの神経組織から種々の方法を用いて、本組織に多量に含まれるフォスフォノスフィンゴ糖脂質、FGL-IIbを分離し、その構造を決定した。FGL-IIbは昨年報告した様に、構成糖として、各々1モルブコのN-アセチルガラクトサミン、グルコース、ガラクトースとフコースを含み、残りの1ケの糖組成は不明であった。本年度はこの糖がD-ガラクトースの3位及び4位のOH基にピルビン酸がisopropylidene結合をした特異な構造をした糖であることを特にGC-MS及びNMRを用いることによって明らかにした。従って FGL-IIbは、3.4-0(1-carbox yethylidene)GaLβ1→3GaLNAcal→3〔Fucα1→2〕(2-aminoethylphosphony1→6)GaLβ1→4GLcβ1→1-ceramideの構造であることが明らかとなった。動物スフィンゴ糖脂質で、ピルビン酸を含むこの様な特異的糖構成を持つものは初めてである。
2.昨年度は、家兎から高抗体価の抗FGL-IIb抗血清を得、酵素抗体法で本血清が神経線維のみを鮮明に染めることを報告した。本年度は、この特異的な組織染色がAplysia神経線維に含まれる糖脂質のepitopeによることを組織をあらかじめ有機溶媒で処理することによる染色性の喪失によって明らかにした。尚、神経組織膜糖蛋白にはepitopeは含まれていないことを免疫ブロット法で明らかにした。更に本抗体と反応するスフィンゴ糖脂質はFGL-IIb以外にFGL-I、FGL-IIa、FGL-VおよびF-9等があり、これ等は共通の糖鎮構造を持つことが明らかとなった。更にFGL-IIbをエステル化、あるいは更に還元することによってFGL-IIbの抗原性が失われ脱エステル化すると抗原性が回復することから、FGL-IIbの構造のうち、非還元末端ガラクトースに結合しているピルビン酸のカルボキシル基が遊離であることが、抗原性にとって重要であることが明らかになった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Sachiko,Abe: J.Biochem. 104. 220-226 (1988)

  • [文献書誌] Heinz,Beitinger: J.Biochem. 105. 730-735 (1989)

  • [文献書誌] Shigeko Araki: "The Third Rinsho-ken International Conference Abstracts" Secretariat-Rinshoken Conference,The Tokyo Metropolitan Institute of Medical Science, 102-103 (1988)

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公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

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