研究分担者 |
南 康文 東京都臨床医学総合研究所, 遺伝情報研究部, 研究員 (40181953)
川崎 博史 東京都臨床医学総合研究所, 遺伝情報研究部, 研究員 (70169704)
今城 忍 東京都臨床医学総合研究所, 遺伝情報研究部, 研究員 (20160046)
榎森 康文 東京都臨床医学総合研究所, 遺伝情報研究部, 研究員 (60160389)
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研究概要 |
カルシウム依存性プロテアーゼ(CANP)のドメイン構造と活性発現の関係を明らかにするため, プロテアーゼドメインとカルモデュリンドメインに焦点をあてて研究した. 1.カルモデュリンドメインについては, 部位特異的な変異をDNAレベルで行い, カルシウムの結合部位を決定した. 小サブユニットのカルモデュリンドメイン部位を大腸菌で発現させ, カルシウムの結合を測定し, 2モルのカルシウムが結合することを示した. 次に, 4個あるEFハンド構造中のカルシウム配位部位のアミノ酸3個をすべてアラニンに変換しカルシウムが結合しなくなった分子腫を作った. これらの発現, 精製し, カルシウム結合能を解析した. その結果, 第1,第4のEFハンド構造にカルシウムが結合し第2,第3ドメインにはカルシウムが結合しないことを証明した. 以上は小サブユニットを用いた実験であるが, 大サブユニットには3モルのカルシウムが結合する. 大,小サブユニットのアミノ酸配列の相同性から,大サブユニットのカルシウム結合部位は第1,2,4EFハンドであると推定した. 以上の結果, ウサギCANPのカルシウム結合部位がすべて明らかになり,これらの部位に対するカルシウムの結合と活性発現の関係を調べている. 2.プロテアーゼドメインに対するcDNAを大腸菌で発現させ,そのプロテアーゼ作用を検討することを試みた. 今のところプロテアーゼを高濃度で発現する系を確立するには到っていない. 高発現系がえられないのは, 大腸菌中でプロテアーゼ活性が発現するので,大腸菌が有害なプロテアーゼ活性を除去する機構が働き出してしまうためと考えられる. プロテアーゼドメインの前後に続くドメインはプロテアーゼ活性を阻害することがわかったので大腸菌中ではプロテアーゼ活性を発現しないが,菌体外でプロセシングを行えば汚性を出す系の開発を行っている.
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