研究分担者 |
西道 隆臣 東京都臨床医学総合研究所, 遺伝情報研究部, 研究員 (80205690)
南 康文 東京都臨床医学総合研究所, 遺伝情報研究部, 研究員 (40181953)
川崎 博史 東京都臨床医学総合研究所, 遺伝情報研究部, 研究員 (70169704)
今城 忍 東京都臨床医学総合研究所, 遺伝情報研究部, 研究員 (20160046)
横森 康文 東京都臨床医学総合研究所, 遺伝情報研究部, 研究員 (60160389)
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研究概要 |
カルシウム依存性中性プロテアーゼ(CANP)の活性発現とその制御機構を解析した。CANPにはカルシウム感受性を異にするμ、m2種のアイソザイムがあり、大小2個のサブユニットからなる。小サブユニットはm,μで共通なため、μ,mの差は大サブユニットの差に帰属できる。大サブユニットは4つのドメイン(I〜IV)からなり、I,IIはプロテアーゼドメインでμ,mでほとんど同じである。IIは成熟プロテアーゼ部分でIはプロペプチドに相当する。CANPはプロ酵素を呼んだ方がよく、自己触媒的にIが欠けると活性を持つ。この活性化は細胞膜植えでリン脂質、カルシウムの存在下でおこる。小サブユニットは2個ドメイン(V,IV')からなる。Vはリン脂質との相互作用に重要で、IV,IV'は共にカルモジュリンドメインである。CANPのカルシウム感受性は基本的にはIV,IV'に対するカルシウムの結合で規定される。IV,IV'中にある4個のEFハンド構造のどこにカルシウムが結合するかを部位特異的変異を使って解析し、IV'deha第1、4番目のEFハンドが結合部位であることを明らかにした。また、μおよびmのIVでもカルシウムの結合部位は同じであったが、mのIVはもう一ケ所第2番目のEFハンド構造にも結合した。大サブユニット中のEFハンド構造に対するカルシウムのみかけの解離定数は、CANPの活性発現に要するカルシウム濃度と平行していた。μ,mCANPには4および5個のカルシウムが結合し、その結果、構造変化がおこって疎水性部分が露出し、この部分が細胞膜と結合するのに最も重要である。ドメインIIIはカルモジュリン結合タンパク質として機能し、カルシウム非存在下ではIIを相互作用してプロテアーゼ活性を阻害し、カルシウム存在下ではIVまたはIV'と相互作用するのでIIが遊離状態となって活性を発現すると考えている。
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