研究課題/領域番号 |
62480456
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
川喜田 正夫 東京大学, 教養学部, 教授 (00012740)
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研究分担者 |
服部 成介 東京大学, 教養学部, 助手 (50143508)
川戸 佳 東京大学, 教養学部, 助教授 (50169736)
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キーワード | 筋小胞体 / カルシウム輸送ATPア-ゼ / 能動輸送 / Na / Hアンチポ-タ- / イオン輸送 |
研究概要 |
1.ウサギ骨格筋小胞体のCa^<2+>輸送ATPase分子上のイオン結合部位を同定した。我々は、Gd^<3+>がATPase分子に結合し、それに伴ってATPaseの内在性蛍光、及び特異的部位に結合させた外部蛍光標識(anilinonaphthylmaleimide)の蛍光強度を変化させることを見いだした。そしてこれらの変化のGd^<3+>濃度依存性を解析することにより、ATPase分子上に3種のGd^<3+>結合部位が存在し、その内の一つがCa^<2+>輸送部位と同一であることを明らかにした。この知見を得たことによって、Gd^<3+>をCa^<2+>の代替イオンとして利用し、ATPase分子に結合させたスピン標識試薬との間の常磁性相互作用の解析を通じてGd^<3+>結合部位を同定することが可能になった。まず、ATPaseをスピン標識脂肪酸マレイミド試薬によって化学修飾した。脂肪酸側鎖上のスピン標識の位置を変えることにより、筋小胞体膜の脂質二重層中の種々の深さの部分を特異的に標識することができる。このスピン標識の位置がCa^<2+>輸送部位の近傍であれば、Gd^<3+>の結合に伴ってスピン標識との間に常磁性相互作用が生じ、ESRシグナルの減弱が起こる。数種類の脂肪酸スピン標識試薬について検討した結果、5-または7-doxylstearateのマレイミド誘導体を用いた場合にのみ有意の相互作用が認められた。ATPaseの細胞質ドメインの標識および16-doxylstearate誘導体による標識とCa^<2+>輸送部位の間には有意の相互作用が認められなかった。このことは、Ca^<2+>輸送部位がATPaseの膜内領域の、比較的膜面に近い位置に存在することを直接的な測定によって示した最初の例である。 2.ブタ腎刷子縁膜から、再構成活性を指標としてNa^+/H^+アンチポ-タ-の精製を試みた。ゲル濾過、DEAE-Sephacelなどにより精製した画分中に、分子量約12万のamiloride感受性DCCD結合タンパク質の存在が認めらている。
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