研究概要 |
視聴覚器材システムによる生物教材の開発を行うため,モニターテレビ・ビデオコーダー・カラーディスプレイなどを利用して,視聴覚資料をどのように編集し,提示したら教育効果が得られるかという点について検討した. 一方, システム化するための素材として,ビデオ・スライドの作成とその準備を進めた. システム化によって効果があげられると考えられる視聴覚教材は,個別的なものではなく,関連した現象を,解説や指導の過程を加えて有効に配列する必要がある. このため, 実験や観察の仕方などを加えながら, その結果を影響で示すような組み合わせのもの,あるいは播種から発芽・成長・開花・結実の一連の過程を,時期的な説明を入れて植物の生活環を理解させるもの, 特別な開花の様式をもつ植物で,授業内で直接にそのようすを提示することができないものなどの具体例が検討された. 実験・観察とその結果を理解させるシステムとして,スンブ法とコバルト紙法による実験と,顕微鏡による観察結果を組み合わせた植物の蒸散の教材,また,植物の生活環についてはオクラを用いた影像教材が作成された. いずれも初等教育で扱えるように, わかり易く提示する試みがなされている. 特に後者は,アサガオの生活環など,従来から用いられているものと併用することによって,児童の生物に対する多様な理解に役立つ効果が期待された. また,ビデオを用い,教室で直接観察できない教材をとりあげた例として, 夜間に開発するツキミソウの開花過程を録画し,短時間に編集して,授業で提示できるような教材を作成した. これらの結果をもとにして,次年度ではさらに新しい視聴覚器材システムを作成し,さらに指導法を検討して,実際に授業による児童の学習の効果を測定する方法を研究中である.
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