研究課題/領域番号 |
62480472
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
飯塚 昌彦 東京大学, 医学部(病), 助教授 (70010379)
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研究分担者 |
池ノ内 浩 東京大学, 医学部, 医員
望月 孝俊 東京大学, 医学部, 医員
百村 伸一 東京大学, 医学部, 助手 (10190985)
平田 恭信 東京大学, 医学部, 助手 (70167609)
芹澤 剛 東京大学, 医学部, 助手 (90143429)
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キーワード | 左室流入圧 / 左室流入速度 / Frank-Starling機序 / 心房利尿ホルモン(ANP) |
研究概要 |
本年度は左室流入圧の心血行動態における役割についての臨床的研究、および心房利尿ホルモンについての追加実験を行った。 1.左室流入機序 左室への血液の流入はその拍出と並んで重要な現象であり、特に最近心機能との関連において注目をあびている。しかるにその規定因子についての理解が不十分である。我々は心疾患患者の下半身に陽、陰圧負荷を加えた際の左室流入速度の変化を検討した。その結果左室早期最大流入速度は左房圧に比例すること、従来規定因子として提唱されて来た心収縮性、心室弛緩速度はこの直線を平行移動させるのみで、勾配には影響しないことを明らかにした。 2.Frank-Starling機序 心外部仕事量と前負荷の関係はFrank-Starling機序として知られて来た。しかしその曲線の形態については必ずしも明らかでなかった。我々は心疾患患者について下半身陽、陰圧負荷法を用いてこの点を検討した。その結果、心仕事量と左室拡張終期容積の関係は従来の予想と異り、最近の動物実験の成績に一致して直線であることが明かになった。また心仕事量・左室拡張終期圧の関係は従来知られているように上に凸の曲線であるが、その勾配は心収縮性のみならず、左室拡張期コンプライアンスによっても規定されることを両者の定量的役割を含めて明らかにした。 3.心房利尿ホルモン分泌速度 心疾患患者の冠静脈洞にカテーテルを挿入、熱稀釈法にて冠血流量を測定。また冠静脈洞より採決を行った。動脈と冠静脈洞血液の濃度差と冠動脈血流量より心房利尿ホルモンの分泌速度をはじめて測定した。
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