研究課題/領域番号 |
62480476
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
補綴理工系歯学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
松元 誠 東京医科歯科大学, 歯学部, 助教授 (40013875)
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研究分担者 |
岡部 良博 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (30194385)
石井 英二 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (20014326)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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キーワード | 老化 / 咬合再構成 / 抹消神経制御能 / 部分床義歯 |
研究概要 |
本研究は加齢に伴う生体変化が日常生活に於ける機能運動中の感覚入力の減衰による機能運動の抹消制御および中枢制御能の経時的な不全を来す傾向をゆうする症例に対して、機能運動器官の再講成とより出力増加、およびその出力を有効な感覚入力として伝達することを契機として本来の生理的機能運動に対する制御能を復活持続させ得る可能性を検索した。口腔諸組織に発現する加齢現象として顕著な生体の機質的変化は歯の咬耗、歯周組織の変化吸収、さらには感覚受容器の喪失を伴う歯牙欠損に至る。特に少数臼歯部欠損のみの症例では、さしたる障害を認識せずに、その状態で長期的に放置され組織老化を伴った歯周疾患が進行し、時には残存歯列の全域に及ぶ支持組織の吸収が進行し、骨植の不良と、動揺度の増加を来し安定した中心咬合が得られず、側方滑走運動時にも不連続性を示し、日常の食生活において咀嚼障害を自認するに及んで歯科の外来患者として来院する。このような症例に対して臼歯部欠損歯列の咬合回復と残存歯列に対する機能力分散配分を目的とした可逆性咬合治療を試み著者の開発した補綴処置効果判定装置を使用して筋機能の賦活と神経筋機構の制御能の回復を確認した。その概略は以下のとおりである。;i)残存歯列の二次固定を目的とした可撤性義歯を装着することにより、支持の安定によりクレンチング時の咀嚼筋活動は著しく賦活され、機能運動も円滑に改善された。ii)咬合の安定により各筋間相互の協調性を増し(Coordination time,patternの向上)と、神経筋機構の制御能(Silent periods の正常化)の改善がみられた。iii)これらの咬合の安定は基本的には臼歯部咬合の支持能力の協調と安定による。iv)可撤性部分床義歯の処置を行う重要な役割の一つに可逆性を有するTheraptic occlusion、(咬合治療法)が可能である。
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