研究課題/領域番号 |
62490011
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
鈴木 良次 東京大学, 工学部, 教授 (80013811)
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研究分担者 |
宇野 洋二 東京大学, 工学部, 助手 (10203572)
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キーワード | 随意運動の計算理論 / ニュ-ラルネット / 最適制御 / 逆ダイナミクス / デ-タグロ-ブ / マニピュレ-タ / 把持運動 / 手先の移動運動 |
研究概要 |
手の随意運動が、トルク変化最小という評価関数によって計画されているという立場にたって、行動実験と神経回路モデルの構成を行ってきた。 1.デ-タグロ-ブを用いて、対象物体への手先の移動と把持のための手の構えを計測するためのソフトウエアシステムを開発し、デ-タグロ-ブの性能評価を行った。その結果、親指の運動に関し、測定精度を向上させることが必要となり、現在、その改良を進めている。2.トルク変化最小モデルに従う最適軌道を生成するため、これまで、運動系の順ダイナミクスモデルを用いていたが、フィ-ドバック誤差学習法による制御システムとの整合をとるため、逆ダイナミクスモデルによる最適軌道生成を検討した。その結果、この方法でも最適軌道に近い解の得られることが明らかにされた。3.重力場で垂直に運動する3関節マニピュレ-タロボットを試作し、関節の運動でみられる静止摩擦の影響を少なくできるダイナミクスの学習アルゴリズムを検討し、実際の制御で良い結果を得ている。4.カスケ-ド形神経回路モデルに運動系の順ダイナミクスを獲得し、これによって最適軌道を生成する方法は、昨年度から試みられてきたが、手先の自由運動のみならず、経由点を指定した運動、障害物回避運動でも最適軌道の生成されることが示された。5.3年間の研究成果のまとめと今後の問題点の整理を行った。成果については、本研究期間中に出版された論文・総説および印刷中のもの併せて、和文30編、英文9編を、それぞれ一冊にまとめ報告書を作成した。残された課題としては、手の運動の計測システムの改良とそれを用いてのデ-タベ-スの作成、リズム運動と随意運動とを統合した制御モデルの構成などがあげられる。
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