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1988 年度 実績報告書

動く遺伝子コピアのレトロウイルス様粒子内RNAでの新しい逆転写メカニズムの研究

研究課題

研究課題/領域番号 62490015
研究機関北里大学

研究代表者

柴 忠義  北里大学, 衛生学部, 教授 (80187385)

キーワードレトロトランスポゾン / 逆転写 / コピア環状DNA / PCR
研究概要

レトロトランスポゾン-コピアはショウジョウバエの細胞内で動く遺伝子としての機能を持つと同時に、細胞内に我々によって見出されたレトロウイルス様粒子を形成する。このウスルス様粒子は逆転写酵素活性を持ち、この酵素によってコピアは遺伝子上で増巾や再配列を起こすと考えられている。このウイルス粒子内のコピアRNAを鋳型とする逆転写は、従来のレトロウイルスのcDNA合成とは異なり、tRNA(F-MettRNA)の3'末端からではなく、3'末端が切断され、その上流がプライマーになることを我々は示した。
本年は、逆転写によって形成されているコピア環状DNAの解析を行った。コピア環状DNAはショウジョウバエの細胞内に量的に少ないため、大腸菌のプラスミド調整法とほとんど同一のアルカリ法によって調整したがコピア環状DNAのみをクローン化することが出来なかった。そのため、コピア環状DNAの結合部位にあるLTRの部分の解析を主体とすることを目的にPCR(Pelywerase chaiu reaction)法を用いて、5'側にLTRの3'側LTRの5'下流の17塩基を合成し、これをプライマーとしてLTRの結合部分を増巾した。このプライマーを用いることにより、2LTRを持つものは約270塩基のフラグメントが合成されることが予想された。又、この方法の利点は、コピアの両LTRから合成を行わせるためコピア環状DNA以外は合成されないことにある。実験の結果、ほぼ2LTRと1LTRが1:1の割合に合成された。現在これらの分子をクローニングし、環状DNAの2LTR、1LTRの構造、その接合部分の解析を行う予定でいる。これにより環状DNAの形成、宿主DNAの組込みについての知見が得られると期待される。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Y.Kikuchi,;Y.Ando,;T.Shiba.: Nature. 323. 824-826 (1986)

  • [文献書誌] T.Miyake,;N.Mae,;T.Shiba,;S.Kondo.: Mol.Gen.Genet. 207. 29-37 (1987)

  • [文献書誌] 富樫伸、上田龍、柴忠義: "新基礎生化学実験法遺伝子工学 中嶋、野本、松橋、三浦、村松 編" 丸善株式会社, 297 (1988)

  • [文献書誌] T.Miyake,;N.Mae,;T.Shiba,;S.Kondo,;M.Takahisa,;R.Ueda,: "Biotechnology in Invertebrate Pathology and cell Biology" Academic press, 511 (1987)

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公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

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