マウスβ1ー4ガラクトシルトランスフェラ-ゼ(以下β1ー4GT)遺伝子の全ゲノムをクロ-ニングし、エクソン-イントロン部分を決定した。ゲノムは全長70kbに及び、7個のエクソンが存在することをエクソンーイントロン境界部分をシ-クエンスすることにより決定した。エクソン1、2、3間はそれぞれ約15kb以上離れておりクロ-ニングに手間どった。膜結合部位はエクソン1に、ORF終止部位はエクソン7にあった。エクソン3と6は、Alternativeにスプライスされ、活性をもつ酵素蛋白は、エクソン3をもたず6をもつエクソン1、2、4、5、6、7より成ることが判明した。エクソン3の塩基配列決定の結果、終止コドンが途中にあらわれ、エクソン3をもつmRNAは成塾酵素蛋白を翻訳できないことが明らかとなった。β1ー4GTとα1ー3GTとの一次構造比較の結果、エクソン6はUDPーGalとの結合ドメインであることが推定された。これをもたないmRNAの翻訳産物がどのような機能をもつのか興味のもたれるところである。 マウスfull-length cDNAをpCMV4ベクタ-に組み換え、Cos細胞にトランスフェクトし、β1ー4GT酵素活性を発現させた。結果、GlcNac単糖及び非還元末端にGlcNacをもつAsialsー(As)、Agalactoー(Ag)Tramsferinなどの糖蛋白にはガラクト-スを転移するが、As、Agのムチン型糖蛋白には全く転移しないこと、またαdactoalbuminの存在下ではガラクト-スをグルコ-スに優位に転移すること、転移後はβーガラクトシダ-ゼ処理により分解されることなどより、確かにβ1ー4結合でガラクト-スをGlcNacに転移し、糖蛋白のうちNー結合型の合成にかかわる酵素活性を発輝することが確認できた。さらに酵素のKm値を種々のアクセプタ-を用いて決定し、このcDNAが発現する酵素蛋白が、従来の精製蛋白レベルで知られていたKm値と一致することが判明した。
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