研究分担者 |
高田 洋子 津田塾大学, 国際関係研究所, 研究員
村川 庸子 津田塾大学, 国際関係研究所, 研究員
高崎 宗司 津田塾大学, 学芸学部, 助教授 (30187942)
梶田 孝道 津田塾大学, 学芸学部, 助教授 (10133357)
荒 松雄 津田塾大学, 学芸学部, 教授 (60012960)
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研究概要 |
62年度は本研究の初年度にあたるため,諸地域における移民労働者の実情についてできうる限り把握することを目的として,研究方法にとらわれず分担者が従来よりおこなってきた研究の中間報告をおこなうことに重点がおかれた. 本年度は主に日本,西欧,アフリカ,中東諸地域の移民労働者の実態について知見を深めることができた. 以下は研究経過の概要である. 1.日本からの出移民研究に関して,分担者の村川庸子による報告(「日本移民送出の社会構造」)がなされた. 本報告は分担者自身による愛媛県での調査に基づくものである. 2.最近急増しつつある日本への外国人労働者の流入に関して, 日本側の法制度面での対応について一定の見識を備える目的で,以下のヒアリングの機会を設けた(滝田祥子氏「出入国管理の変遷と外国人の就業」). また,東南アジア諸国から日本への出稼ぎ労働者の現状に関して,分担者の草津攻による社会学的調査が開始され,最終的な調査結果は次年度に公表される予定である. 3.西欧ではすでに50年代から移民労働者の流入が開始され,オイル・ショック以後移民労働者の問題が顕在化して現在に至っている. 西欧での経験は,今日の日本の状況に鑑みて有意義な教訓を提示してくれるものと思われる. フランスにおける移民問題の現状について,分担者の梶田孝道より報告(「文化葛藤としての移民問題」)がなされた. 4.先進諸地域のみならず,発展途上諸地域における国際労働移動の展開過程についても以下の報告がなされた. まず,研究代表者である小倉充夫による報告(「南部アフリカの国際労働移動」)では,今日の国際政治の争点となっている南アフリカへの近隣諸国からの出稼ぎ労働者の実態が明らかにされていた. また,オイル・ショック以後世界の移民労働者の相当割合が流入した中東諸国の逆オイルショック以後の実情について, 講演会を開いた(加納弘勝氏「オイル・グラット下の中東の労働移動」).
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