研究分担者 |
太田 浩 理化学研究所, マイクロ波物理研究室, 研究員 (90100049)
今井 喬 理化学研究所, 宇宙線研究室, 技師 (10087364)
河野 毅 理化学研究所, 宇宙線研究室, 研究員
河合 誠之 理化学研究所, 宇宙線研究室, 研究員 (80195031)
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研究概要 |
本研究の基本となるクライオスタットのシステムの整理を行ない, 冷却系の基礎試験を行った. 一方, 半導体等固体素子の低温での性質を調べた. クライオスタットの整備と基礎試験は, まずHe^4のクライオスタットを眞空ポンピングによって冷却させ1.5°Kまで実現させた. この装置による温度の測定方法, センサーと回路の取付方法を確立した. 長時間(約24時間)1.5°Kに保持させておくシステムを作り上げた. このHe^4のクライオスタットをもとに, 現在He^3のクライオスタットの整備を開始した. He^3のシススムはHe^4のシステムに比べ複雑であるが, 予定の0.3Kの冷却面を作り上げる事が出来る見通しである. 固体放射線素子の調査と基礎試験を行なった. (1) シリコーンPINダイオードを液体窒素温度まで冷却しX線検出器としての特性をとった. PINダイオードのX線検出器への応用は從来のSi(Li)と同様の特性が得られる事を確認した. 從って, 素子の分割等(例えば2次元)が必要なセンサーへの応用に道を拓く事になった. (2) サーミスタ型固体素子について調査を行なった. 不純物が十分にドープされたシリコーン又はゲルマニウムの温度特性について理論的検討を行なった. 不純物半導体を作る方法としてイオン打込みやニュートロン打込みによる方法があるが, シリコーンにイオン打込みをする方法が実際我々が実行する場合に都合がよいとの結論に達した. 理論のイオン打込みとその周辺の機器を用いてイオン打込みの準備と試験実験を始めた. (3) ボロメータ方式の検出回路を試作し, 回路系全体の特性を調べた. まず室温に置く回路と冷却槽に置く回路を区別して基礎試験を行なった. (4) ピエゾ素子とジョセフソン接合素子を利用した放射検出器の可能性を検討した.
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