研究課題/領域番号 |
62490021
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研究機関 | 理化学研究所 |
研究代表者 |
松岡 勝 理化学研究所, 宇宙放射線研究室, 主任研究員 (30013668)
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研究分担者 |
太田 浩 理化学研究所,マイクロ波物理研究室, 研究員 (90100049)
今井 喬 理化学研究所, 宇宙放射線研究室, 技師 (10087364)
河野 毅 理化学研究所, 宇宙放射線研究室, 研究員
河合 誠之 理化学研究所, 宇宙放射線研究室, 研究員 (80195031)
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キーワード | ボロメータ / 固体放射線検出器 / サーミスター |
研究概要 |
放射線計測用ボロメータは開発すべき多くの要素をもっている。昭和63年度ではボロメータ開発に必要な次の様な開発を行った。 1)^3Heを用いた0.3Kのクライオスタットを用いた放射線計測用冷却システムの開発。センサー取付部、センサーと熱浴の熱接触の方法、軟X線入射窓と熱入力の問題等のデータを取得した。このデータにより将来の冷却型固体X線検出器を設計する為の基礎概念を得た。 2)冷却型固体放射線検出素子の基礎データの取得とセンサーの開発。検出素子は基本的にはサーミスターであるが、ゲルマニウム又はシリコンの眞性半導体にボロンヤリンの不純物を必要量ドープしたものである。不純物のドープ量の調整がボロメータの特性に大きく影響を及ぼす。この為、比較的簡単に入手可能なサーミスター素子で低温の特性を取得した。温度と熱容量の関係、温度と抵抗の関係、温度と熱浴への熱伝導の関係等の基本データを各種のサーミスターで取得した。これにより眞性半導体への不純物のドープの必要量の検討材料を得た。X線検出素子に必要な熱容量の低減化の策として、レーザードーピング法を採用し基本的検討と一部実験準備を行った。この方法は将来のサーミスター素子製作の為有望な方法との結論に達した。 3)固体素子を冷却して実際の放射線を入射させ、パルス信号を捉えた。極低温用のサーミスターを改造し、これをボロメータ素子として^<241>Amからのアルファ線(5.5MeV)を入射した。温度は、1.5Kと0.3Kに保持して特性をとった。実際の放射線入射に対する電気的パルスによって、雑音特性、パルス波形、時間特性、線型性等の基本データを取得した。この時、増巾器等の信号処理回路の基本設計データを得た。これにより冷却型固体放射線素子をX線検出器として使用する見通しを得た。
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