研究分担者 |
今井 道夫 北海道大学, 文学部, 助手 (70048130)
清水 哲郎 北海道大学, 文学部, 助教授 (70117711)
野本 和幸 北海道大学, 文学部, 教授 (70007714)
田中 享英 北海道大学, 文学部, 教授 (30008958)
宇都宮 芳明 北海道大学, 文学部, 教授 (30000566)
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研究概要 |
本研究の最終的な到達目標は次のようなもであった. 言語をめぐる諸問題への二つの接近方法, すなわち言語の一定部分を一定の論理構造をもった対象と規定し, それを拡張・修正してゆくことによって日常言語に接近し, ひいては信念・行為との関連を定めてゆくという方途と言語現象を独立した事象とは見なさずに, むしろわれわれの知識・信念・行為等との様々な関連から成る一つの全体へと織り込まれたものとしてしか言語は把握され得ないとする観点との間に接点を求め, そのような探究に基づいてわれわれの概念図式の内における言語・信念・行為・実在といった概念の位置づけを再確定することであった. とはいえ, これら二つの接近方法自体を現在の水準以上に解明することが両者の関連や接点を探る上では不可欠の作業となる. したがって初年度としては先ず研究分担者の各専門領域に沿った形での上記問題への取り組みが行なわれた. その結果として, 古代から現代へと至る哲学の多様な状況において言語をめぐるあるいは信念・行為に関する様々な問題の解明作業が進められた. その中でも特に, 故意行為をめぐる行為概念の分析カントの平和論を中心に据えた諸概念の分析, 信念文をめぐるフレーゲのパズルの解決へ向けての第一歩が踏み出されたこと, 本研究の脈絡における中世およびルネサンス哲学の解明等に一定の前進を見ることができた. これらの成果は, 一部は下記の雑誌論文・図書として発表され, 一部は発表予定となっている.
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