研究課題/領域番号 |
62510013
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
今西 順吉 北海道大学, 文学部, 教授 (70000594)
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研究分担者 |
細田 典明 北海道大学, 文学部, 助手 (00181503)
藤田 宏逹 北海道大学, 文学部, 教授 (80000537)
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キーワード | ギーターの思想 / ギーターの成立 / ギーター文献 / ギーター索引 / サーンキヤ哲学 / ヨーガ思想 / 仏教 / 祭礼 |
研究概要 |
本年度においては『バガヴァッド・ギーター』の研究に力点を置いて研究を行った。『ギーター』の思想史・文献史的問題としては、『ギーター』の成立の問題と、後代に及ぼした影響との二つの方向がある。成立に関しては学界においてこれまでにも種々論議され、詳細な文献批判的研究も多数発表されているが、なお解明の余地がある。本書は全体としては宗教色の強い書物であるから、精密な体系的哲学書とは異なるが、それにもかかわらずかなり綿密な体系性を示している。従来の書研究は後代の哲学体系を前提にしてそれとの整合性を要求する傾向が強いが、新しい思想が登場しうるためには新しい表現が採用されるのは当然であろう。『ギーター』の表現形式を文献的に追求し、『ギーター』自身の内面における明確な論理性を取り出すことを試みた。その結果として、『ギーター』が在来の思想を利用しながら、独自の思想を打ち出そうとする実態をかなり生々しく取り出すことが出来た。その成果の一部は近く発表される。『ギーター』全体にかたる同種々の批洋的研究をまとめるにはなお若干の時間を要するが、近々に全体の研究を公表することを計画している。 次に、『ギーター』の影響下に成立した「ギーター文献」の研究としては、その全体像に関する捉括的な研究を別に発表した。多数の文献がこの中に含まれ、その個々に関する個別的な研究も順次進めることにしたい。そして将来、「ギーター文献」の全体的な研究を完成することを期したい。 なお、『ギーター』の索引を完成した。すでに種々の索引が公刊されているが、不満を覚えるので、新しい構想のもとに作成した。単に『ギーター』の研究のみならず、広く他の種々の文献との比較研究にも役立つよう計画し、今後同一の方針のもとに他の文献の索引も作成したい。
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