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1987 年度 実績報告書

採餌選択の心理学的機制に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 62510065
研究機関大阪市立大学

研究代表者

伊藤 正人  大阪市立大学, 文学部, 助教授 (70106334)

キーワード選択 / 強化量 / 強化頻度 / 強化率最大化原理
研究概要

本研究は, ラットを被験体として, 強化量の選択行動に及ぼす大強化量および小強化量選択肢の頻度の増加・減少の効果を並立連鎖スケジュールにより同時選択場面で検討した. 強化量は1個(45mg)3個のペレットとし, 第2リンクの定間隔(F1)スケジュールにより呈示された. 本研究では, いずれの選択肢ともF15秒とした. 各選択肢の頻度は第1リンクの変動問題(V1)スケジュールにより決められた. 頻度増加条件では, 一方の選択肢へ導く第1リンクの長さを一定(V160秒)とし, 他方の選択肢へ導く第1リンクの長さをV126秒, V17秒と短くし, 第2リンクへ移行する頻度を増加させた. 一方, 頻度減少条件では, 同様に一方の選択肢へ導く第1リンクを一定(V160秒)に保ちながら, 他方の第1リンクの長さをV190秒, V1140秒と長くし, 第2リンクへ移行する頻度を減少させた. 1セッション60強化とし, 各条件ごとに, 最低14セッションの訓練を安定規準をみたすまで行った. この結果, 頻度増加条件では, 大強化量選択肢の頻度が増加すると, 大強化量の選択率は増加するが, 小強化量選択肢が増加しても大強化量の選択率は, V126秒条件ではあまり変化しなかった. 頻度減少条件では, 大強化量選択肢の頻度が減少すると, 大強化量の選択率は減少したが, 小強化量選択肢の頻度が減少しても, 大強化量の選択率はわずかな増加しか示さなかった. 以上の結果は, 頻度増加条件および頻度減少条件のいずれにおいても, 大強化量選択肢の頻度増加・減少が小強化量選択肢のそれよりも大きな効果をもつことを示す. この事実は, 強化率最大化原理に基づく選択行動モデルからの予測と概ね一致するものであり, したがって, この場面での採餌選択が強化率最大化原理という心理学的機制に基づいて行われていることを示唆するものと考えられる.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Hachiya & Ito: Journal of the Experimental Analysis of Behavior.

  • [文献書誌] Commons, et. al. (Eds.): "Quantitative analyses of behavior(Vol. VI):Foraging(Chapter9)" Lawrence Erlbaum Associates, Publishers(LEA), 291 (1987)

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公開日: 1989-03-20   更新日: 2016-04-21  

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