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1988 年度 実績報告書

採餌選択の心理学的機制に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 62510065
研究機関大阪市立大学

研究代表者

伊藤 正人  大阪市立大学, 文学部, 助教授 (70106334)

キーワード採餌選択 / 餌場の使用 / 餌の分布型 / 切り替えレバー型並立スケジュール / ラット
研究概要

本年度は、ラットを被験体として、餌の分布状態が餌場(パッチ)の使用にどのような効果をもつかを、切り替えキイ型並立スケジュールにもとづいて新たに構成した継時選択場面で検討した。この手続きは、餌場(パッチ)内で餌を探す探索(search)事態、探索の結果、見つけた餌を食べる摂食(food)事態、餌場間の移動時間に相当する切り替え遅延(changeover delay:COD)事態という3つの部分から構成されている。最初に、中央レバーと右(または左)のレバーが出ている探索事態から始まる。ここで右(または左)のレバーに反応すると平均30秒で強化子が呈示(摂食事態)され、3秒後再び探索事態にもどる。一方、探索事態で中央レバーに連続3回反応すると、次の餌場へ移動中となる切り替え遅延事態へと移行する。この事態で中央レバーへ反応していると、一定時間経過後、前とは反対のレバーが呈示され、次の餌場での探索事態となる。餌場は18あるものとし、第18番目の餌場をあきらめて、切り替え遅延事態へ移行した時点で実験を終了した。餌の分布型は、ランダムな分布のモデルとしてボアソン分布、一様な分布のモデルとして2項分布、さらに、ある餌場に集中しているような分布のモデルとして負の2項分布の3条件とした。また、切り替え遅延時間の長さを2条件(15秒と60秒)設けた。いずれの餌場にも平均3個の餌があるものとした。この結果、(1)探索時間と捕った餌の数と(2)探索時間とその餌場で最後に餌を捕ってから、その餌場を去るまでの時間(あきらめ時間)という測度では、いずれの分布型でも探索時間の増加とともに餌の数もあきらめ時間も増加し、分布型による相違は見いだせなかった。また、CODの長さの効果も上記の測度では見いだせなかった。この結果にHerrnsteinのマッチングモデルをあてはめてみると、比較的よくあてはまることが見いだされ、餌場の使用における心理学的機序の一端が示されたといえる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 小川隆 監,杉木・佐藤・河嶋 編: "行動心理ハンドブック 第3章 選択行動" 培風館, 480 (1989)

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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