• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1987 年度 実績報告書

読みの能力の個人間, 個人内変異の規定因

研究課題

研究課題/領域番号 62510067
研究機関独協大学

研究代表者

波多野 誼余夫  獨協大学, 教養部, 教授 (60049575)

キーワード読解力 / かな表記 / 漢字表記 / 命名潜時 / 語い / 読みのスパン
研究概要

(1)小学5年生に読解力テストを行なって, 上位群32名, 下位群25名を選出した. これらの被験者に対し, かな表記の単語(特殊音節の有無でさらに2分), 漢字表記の単語(2年生もしくは4年生で初出)を1語ずつスクリーン上に呈示し, 命名潜時を測定した(個別実験). また, 語いテストも施行した. その結果, どの材料についても, 上位群の命名潜時は下位群のそれより有意に短かかった. 語い量を統制変数として加えたさいにも, 特殊音節を含まないかな表記, 2年生で初出の漢字表記については群差が有意で, 残りの材料についてもそうした傾向が認められた. 以前の実験では, 漢字表記に関してのみ語い量の効果を取除いたさいの群差が有意で, かな表記の群差はほとんど消失したが, 今回の実験では, かな表記と漢字表記の間ではっきりしたちがいが見られない. これは, 前回のように擬似単語を含めると, かな表記された単語の命名潜時が, 心内辞書にアクセスする時間ばかりでなく, 文字一音(節)対応関係ルールを用いて発音を確定する時間をも反映するようになるためだと解釈される.
(2)大学生を対象に, (1)とほぼ同様の手続きによる実験を行なった(潜時測定のための材料は同一). 半数には擬似単語を含め, 半数には含めずに練習を行なわせたところ, 前者では命名潜時が増大し, とくに上位群で二つの傾向が著しいことがわかった. また, 後者では群差はなく, かな表記の単語については小学5年生の上位群ともほぼひとしかった. 漢字表記の単語についても群差はなかったが, いずれも小学5年生の上位群より短かかった. なお, 読みのスパンの測定を試みたが, 材料文が長すぎたためか全体に成績がわるく, 期待した読解力との相関は得られなかった.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Hatano, G. ;Kojima, K. & Saito, H.: Reading Research Quartery.

URL: 

公開日: 1989-03-20   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi