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1988 年度 実績報告書

読みの能力の個人間、個人内変異の現定因

研究課題

研究課題/領域番号 62510067
研究機関独協大学

研究代表者

波多野 誼余夫  独協大学, 教養部, 教授 (60049575)

キーワード読み / 個人内変異 / 個人間変異 / 命名速度 / 命名潜時 / 読解 / デコーディング / 読み上げ速度
研究概要

(1)大学生を対象に、日本文、英文のテキストの読解成績により(上位・下位に分け)4群を設け、日本語単語(漢字表記)、英単語の命名速度(潜時)を個別に測定した。英単語の命名速度は、シラブル数にかかわらず、英語の読解力上位群が下位群より有意に速かった。日本語単語の命名速度は、三文字語についてのみ日本語の読解成績上位群が下位群より有意に速かった。いずれも、異なる言語での読解成績による上位群と下位群の間には有意差が認められなかった。読み誤りは全体に少なく、はっきりした傾向はみられなかった。なお、全被験者に対する日本文の読解と英文の読解の間には中程度(.50)の相関が認められたが、このいずれも語い量とはほとんど相関していなかった。こうした結果は、ある言語で書かれたテキストの読解の成績が、少なくともある程度、その言語での単語の命名速度に依存してきまることを示す。つまり、単語識別の速さが、一般知能よりむしろ、その言語でのデコーディングの技能のあらわれであることが示された。
(2)幼稚園児を対象に、文字のリストの読み上げ速度、語のリストの読み上げ速度、特殊音節を含む語の読み、短文の意味理解などの課題を与えた。予備的分析によると、特殊音節の読みは、文字がある程度速く読めるようになった後にのみ獲得される。短文の意味理解は、単語の読みがある程度速くなった後にのみ可能になる、などの関係が示唆された。つまり、読みの技能は、全体として階層的構造をなしており、より上位の技能が獲得ないし効果的に使用されるためには、下位の技能がある程度速く(かつ自動的に)遂行されるようになっていることが要求されるらしい。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Hatano,G.;Kojima,K.;Saito,H.: Reading Research Qnarterly.

  • [文献書誌] Hatano,G.;Kojima,K.;Saito,H.: Reading Research Quarterly.

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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