研究概要 |
24匹のラットにハンドリングを施し、4匹ずつの体重による均等な6群に分け、アダプテイションの後に3つのステ-ジからなる手続(表1)を実施した。通常のスキナ-箱を用いてCS(biting lever)を10秒間呈示し、その除去と同時にUCS(表1)を呈示する、ITIが平均60秒の、25試行を1セッションとして、各ステ-ジで20セッションを実施した。結果は以下のように要約される。(1)HUNGER(飢餓)動因下で、UCSが20%SUCROSE溶液とPELETの間で切換えられた場合(H-SPS群、H-PSP群)は、CS追跡行動(biting leverに対するCONTACT,BITING)と、UCS追跡行動(試行中に頭部を餌箱に入れる行動)の生起率の変化には、一定の規則性のある傾向は見出されなかった。また、CS追跡行動の反応型に関しても、UCSがSUCROSE液とPELETのいずれであっても同様にBITINGとLICKINGが生じた。(2)THIRST(渇)動因下で、UCSが20%SUCROSE液と水の間で切換えられた場合(T-SWS,T-WSW)は、CS追跡行動とUCS追跡行動とに、変化は見られなかった。また、CS追跡行動としてLICKINGは全く見出されなかった。(3)UCSが20%SUCROSE液で、動機づけ状態が、HUNGER(飢餓)とTHIRST(渇)との間で切換えられた場合(THT-S,HTH-S)は、CS追跡行動は、渇動因のときよりも、飢餓動因のときに一般的に高い生起率を示す傾向にあった。しかし反応型においては、いずれの動因下にあっても、UCSが20%SUCROSE液であるにもかかわらず、LICKINGの生起は無視しうるほどであった。
|