以下のスキナ-箱を用いた3つの実験では、自動反応形成が試みられた。いずれにおいても、条件刺激(CS)として、biting leverを用い、無条件刺激(US)としては、実験ごとに、ペレット、または20%ショ糖水溶液、あるいは、それら両方を交互に用いた。体重制限とは、自由摂食時の85%の体重を維持することであり、飢餓の動機づけ状態を意味している。1セッションは25試行のCSーUS対呈示からなっていた。 第一実験では、体重制限下のラットに、呈示位置を固定したペレット(US)を用い、CS呈示位置を変数として50セッションが施行された。CSとUSの距離が大きくなるほどCSに対する接触(contact)の頻度の増加傾向の勾配は緩やかであった。試行数の増加に応じてCSに対して各種の反応の頻度は増加し、また、反応の種類も増えていった。試行の数と反応の発現の順序には何等かの対応がある可能性が考えられた。第二実験では、体重制限下のラットに、呈示位置を固定した20%ショ糖水溶液(US)を用い、CS呈示位置を変数として50セッションが施行された。CSに対する接触(contact)の頻度の増加については、CS呈示位置までの距離が最大(後方)の群において、極めて少なく、他の2群ではほぼ同様に緩やかな勾配の成長が見られた。第一、第二実験の違いはUSの違いであるが、この違いがCSに対する反応の成長の水準(学習)の差異をもたらしたと考えられる。第三実験では、15セッションを1ステ-ジとし、3つのステ-ジにわたって動機づけを切換えることにより、反応の成長との関係、また、反応型との関係の確認を試みた。動機づけは、飢餓、および、飢餓&23時間の渇水、が2つのABAデザインでペレットと20%ショ糖水溶液とにおいて用いられた。動機づけと反応(反応型)の成長とにはわずかな対応がみられたが、CSの特徴と反応(反応型)との関 係の重要性が考察された。
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