1.寄留集落の形成と変容の実証分析 主に美津島町赤島(親部落、鴨居瀬)と豊玉町加藤(親部落、見鮒)についての部落形成過程にかかわる資料の整理、間取り調査のまとめと同時に、残っていた調査事項の再調査を行なった。今回は主に、その変容過程の詳細なデータ収集に力を注いだ。さらに、今年はそのネットワークの広がりに注目したため、個々の家族がその対象となった。親部落に比して、明らかに寄留集落のネットワークの偏りが検証された。経済的ネットワークの広がりに比して、社会的(婚姻、派生集団など)ネットワークの狭さが題著である。さらに、強い(Strong)紐帯(t:es)より弱い紐帯の少なさが検出されている。2.ネットワーク分析のための数理解析プログラムの開発 偏ネットモデルのシミュレーションを使った解析プログラムの開発を行なってきた。完全に動かすことがてきるようになり、偏パラメータの値に応じた結合度の動きを観測することができる。実証分析とのつながりは直接的ではないが、将来の研究成果の解釈に大いに貢献するものと思われる。
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