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1987 年度 実績報告書

単一企業都市における企業の盛衰と権力構造の変動に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 62510093
研究機関熊本大学

研究代表者

丸山 定巳  熊本大学, 文学部, 教授 (00039968)

キーワード単一企業都市 / 地域権力構造 / 公害
研究概要

本年度は, (1)水俣市におけるチッソ株式会社(以下チッソと略)の経済的ウエイト, (2)水俣病事件で顕在化した地域権力構造, (3)住民の企業意識の3点について, 主要には調査を行った. 以下, それぞれの項目に対応させて, 研究の実績を概括する.
1.チッソの水俣市における経済的ウエイトを就業者数・製造品出荷額などからみると, 1960年代前半を境に低下してきているが, 関連企業を含めて依然として, 相対的には優越した地位を占めている. 水利権や土地などの資源に関しても, 所有の度合いは高い.
2.水俣病事件では, チッソを頂点とする地域権力構造は, 患者や漁民などの被害者に対して抑圧的に機能してきているが, この構造には, 自治体機構はもとより地域の諸団体・組織のほとんどが包摂されている. チッソの排水による漁場破壊ゆえに利害が敵対していると思われる漁協までも, 長年の排水補償を介して従属的関係を余儀なくされている. そうした状況のなかで, 被害患者と支援者の自立した運動が台頭してきているが, 未だ, 従来の権力構造を動態化させるまでにはいたっていない. なみ目下, 権力構造の変動を長期的に解明するために, 一つの手がかりとして, チッソ設立以前まで遡って, 自治体三役と議員の属性調査を進行中である.
3.チッソの経済的ウエイトが低下してきているとはいえ, 住民のチッソ運命共同体意識は依然として根強く, 今後とも, チッソの経営拡大による地域経済の再生が少なからず望まれている. なお, この面の調査では, アンケートが予定通り実施できていないために, 現時点までは主としてケーススタディーに依拠しており, 今後さらに究明に力を入れていくことにしている.

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公開日: 1989-03-20   更新日: 2016-04-21  

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