障害のある乳幼児の早期発見と事後指導の充実を目指して、乳幼児の心身障害の早期発見-療育システムの構築および乳幼児期を一貫する相談内容項目表の作成について検討した。 北海道の地域的状況は、高度な医療・療育体制が道央(札幌市を中心)に集積され、遠隔地が高度な専門的サービスを利用しにくいこと。他方、既存の社会福祉施設・特殊教育学校等が地域療育に先駆的に取り組んでいること。 研究成果は、序説、早期発見・事後指導事業の現状、同検討、乳幼児の心身障害の早期発見-療育システム、乳幼児期を一貫するケース記録と相談内容項目、結、参考文献、資料、にまとめた。 1 検討課題(1)相談機関・施設・学校を整備し、それらの諸機能を遠隔地に活用すること(2)道内各地域のキイ・ステーション(保健センター、保健所、児童相談所)と社会資源(療育施設、保育所、学校)とのネットワークを図ること(3)小児科学、心理学、家族関係学、社会福祉学などの総合により乳幼児期の相談内容項目を具体化すること。 2 システムづくりの対策(1)早期発見-療育エリアを設定すること(2)各方面に中枢専門機関を整備すること(3)各圏域に専門機関を整備すること(4)各地区に通園事業または巡回療育相談事業(指導員・保母)を配置すること(5)発見・指導の研修を促進すること(6)ネットワーク・システム(各機関の役割、キイ・センター、下位システム、ケース・カンファレンス)を築くこと 3 データベース(図表)(1)早期発見の実施の型(2)乳幼児の心身障害の早期発見システム(3)小児保健・療育教育システムの内容一覧(4)乳幼児相談内容項目表(5)早期発見-療育エリア(システム・マップ各種)(6)市区町村別人口・機関・施設・学校一覧 他
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