研究概要 |
1.目的 小学校における表現運動の指導内容及び方法がどのようであり, それが学習者にどのような意識の変容をもたらすかについて探る. 2.方法 (1) 内容 (a)学習者である児童に対して, 項目に対する賛成ないし反対の程度による5段階評定形式の「表現運動への適応」に関する60項の質問及び, 生活や運動に関する9項目の質問紙調査を行う. (b)表現運動の指導を行った教師に対しては, 年令, 性, 表現運動・ダンスに関わる学習経験, 及び指導した内容・方法, 児童の反応や指導の手ごたえ等の質問紙調査を行う. (2) 対象及び期間 新潟県及び群馬県の小学校第三学年から第六学年までの27学級, 児童計841名, 及びその指導者27名. 1986年9月〜1987年2月. 3.結果及び考察 (1) 学習者の意識の因子分析の結果から, 課題追求尺度及び課題困難感尺度を構成し, その得点について分析を行った. 主な結果としては, 地域的には新潟の児童が群馬より課題困難感を持っており(5%水準で有意), 教師が男性であると児童が課題困難感を持ち(1%水準で有意), 学習内容には無関係に学習者が女子であると男子より課題を追究する(1%水準で有意)という事がわかった. (2) 小学校ダンスを10〜14週, あるいは中学校ダンスを3〜4単位学習した経験のある教師が, 運動会で表現運動を指導した場合は, ともに課題困難感が学習後に減少した(1%水準で有意). また, 運動会で表現運動を指導し, かつ授業でも表現運動を5〜6時間及び7〜8時間指導した場合は, 学習後に両群とも課題困難感が減少(1%水準で有意), 指導が有効であると考えられる.
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